一景 日本橋雪晴

いきなりですが新春の東京・日本橋の風景です。

タイトルと違って「どこが雪晴やねん」と突っ込みたくなった皆さま、申し訳ありません。さしたる美観とも言えないこの景色に何の意味があるのか、と思われたでしょうか。

昨年末にふと、江戸時代の浮世絵師・歌川広重の「名所江戸百景」が目に留まる機会があって、いや実に良い絵の数々だなあ、と感銘を受けたわけです。で思いついたのが、現代の東京でこれと(できるだけ)同じ場所・同じ構図で撮ってみるという遊びをしたら面白いのではないかしらん、と。

さっそくの第一景「日本橋雪晴」がこちらです。

無謀にもこれに挑戦したのが冒頭の写真というわけで、いやはや力量もセンスも(当然ながら)元の作品に遥かに及ばず誠に面目ない次第です。そうそう都合よく雪が降ったり晴れたりもしてくれませんし。

そもそも過密都市東京で、近景から遠景まで見事にひとつの構図に収める見通しの良い風景写真が撮ることは至難の業です。というかそれ以前に広重の作品自体には写実というよりはおそらく芸術的奇想と強烈なデフォルメが駆使されていますから、技量皆無のわたしがスナップ写真で再現するのは土台無理かつ無謀なのです。わかっちゃいるのです。けれどもその無理無謀に敢えて挑戦してみると、いろいろ面白い経験ができるかもしれないし、だいいち百景あれば当分ブログのネタに困らないじゃないか、というのが目下のわたしの皮算用なのです。

そうそう、広重の百景に模するとすべて縦構図写真になるのですが、ブログのトップページ用のサムネイル写真は横構図でないと収まりが悪いので、この辺りの横構図の写真も撮っておきましょう。

今回の撮影はPENTAX K-3IIIとHD DA20-40mm limitedを使いました。縦構図でアスペクト比率2:3くらいがいい感じなので、私の手持ち機材の中ではK-3IIIの出番が増えそうな予感がします。

現代の方の日本橋の上空を走る高速道路を地下化して「空を取り戻す」計画があるとも聞きました。実現すればたしかに景観は少し良くなるかもしれませんが、広重の第一景のような雪晴あっぱれな開放感はなかなか難しいかもしれません。

ともあれ、今後もときどき「名所江戸百景」に挑戦していこうと思います。
なお、掲載している広重作品はこの書籍から拝借しています。

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