十五景 日暮里諏訪の台

歌川広重 名所江戸百景の十五景は日暮里(ひぐらしのさと)諏訪の台、元の絵はこちらです。


前回の十四景につづいて日暮しの里こと旧道灌山からの眺めです。今の西日暮里駅のすぐ近く、おそらく十四景・十五景の現地の距離は昔も今も、歩いて2分足らずの距離だと思われます。近いと撮り歩くのは楽でよいのですが・・・

元の絵の右前方に見えている山は筑波山だそうで、おいおい、今の東京で、日暮里から筑波山が見えるわけないやろ!というわけで今回も景色を再現するとか景観をそれっぽく似せて撮るとかはハナから諦めムードなのであります。

おまけにこの時まだ東京は小寒くて桜は全く1輪も咲いてないし、そもそも辺りに桜の木は全く無し。せめて青空ならまだ明るい景色になったのにこの天気じゃ・・・とぶつぶつ自分に文句を言いながら、とぼとぼと十四景を撮った日暮里公園に戻って、少しでも抜けの良い方角を探してアリバイ的にこんな写真を撮ってきました。


なんか、すみません。
せめて筑波山の方角を向いて撮りたかったのですが、実は残念ながら逆方向の南向きであることもついでに懺悔しておきます。

広重の絵では諏訪の台という地名が表題になっていますが、確かに現地には諏訪神社の立派なお社がありました。この日は境内で何やら地元らしき大勢の家族連れの皆さんが屋外パーティーを楽しんでいたので、元の絵に因んで借景する手もあったのですが、下手に撮ってお邪魔になるのは恐縮なので遠慮申し上げました。

諏訪神社の鳥居のすぐ近くから南西に向かって、見通しの良い真っすぐな坂道が下っています。


この坂の名前は富士見坂。なるほど筑波山は到底無理そうだけど、逆方向の富士山は条件の良い季節には今でも見えるか、少なくとも近い過去に見えていた時代があるんだな。ここ道灌山は昔も今も眺めの良い場所であり続けているんだ、と妙に心に響きました。

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