アオバトを撮りに大磯へ

全国でも珍しい「海水を飲むハト」の生息地が湘南の大磯にあって、わりと近くまで寄って観察したり撮ったりできる、という話を聞きつけました。ふだん動きもの、ましてや生き物をほとんど撮らないわたしとしては無謀かなとも思ったのですが、ダメ元で行ってみようというわけで、行ってきました。

いきなりハトの話で面食らったみなさま、すみません。アオバトについてはたとえばこちらのサイト情報などごらんいただきたく。

アオバト|日本の鳥百科|サントリーの愛鳥活動
「日本の鳥百科」アオバトの紹介です(鳴き声あり)。上面は暗緑色、頭から胸にかけては明るい緑黄色をしています。オスには翼の雨覆羽に赤褐色があります。全身ほぼ緑色をしているのでアオバトです。

7月のとある週末、降り立ったのは東海道本線の大磯駅です。

薄曇りの空は写真的には冴えませんが、これから遮るものの無い海岸でしばらく時間を過ごすことを思えば、夏の陽射しに焼かれないで済むという点ではむしろ好都合です。

駅から目当ての照ケ崎海岸までは徒歩10分弱。初めての土地ですがgoogle mapの導きで進みます。道すがら至る所で、大磯の海岸風景を模ったマンホールが目につきます。

今回は、わたしの所有機材の中でもっとも長い焦点距離で望遠を効かせて撮ることができる組み合わせ、PENTAX K-3IIIとHD DA55-300mm PLMに加えて、↑のような街中スナップ撮り用にSIGMA 17-70mmを持参しました。

何度かプチ迷子状態を繰り返しながら、それでもたいしたタイムロス無く照ケ崎海岸に到着。ここか!

日の出から午前10時くらいまでがアオバト飛来のピーク時間だということです。ただいま午前9時。天候の違いなどで日によっても飛来数はけっこう異なるらしい。

先客カメラマン何人かはいらっしゃるものの岩場にそれらしき鳥影は見えず、これは今日はしくじったかな、と案じつつわたしも海岸へ降りてスタンバイ。

ただ強い風が吹き荒れるばかりの海岸で佇み、さっぱりアカンかなあ?と呆然としていたところへ、突然、陸の方から鳥の群れ飛んできました。速い!

アッと言う間に岩礁に群がります。こう来て、

こうなって・・・

ファインダー越しに明るい緑色が確認できます。間違いなくアオバトです!

え?どうやって撮ってるかって?わたしはペンタックス使いですからね、
間違ってもAF-Cで追ったりしません。絞ってこれと決めた岩の頭あたりに置きピンですよ、当然(苦笑)。

けっこう激しく波が打ち寄せていますが、アオバトのみなさんは勇気があるのか何なのかあまり頓着することなく降り立って、岩礁を占拠してしまいました。

ちょっと違うタイミング・違う岩礁でのショットですが、こんな感じで、群れ成して飛来したアオバトは、岩礁の上ではけっこう思い思いに過ごしています。

とはいいながら、何分もそこに居られるわけではなくて、波がザパアーンと来ればこうして大慌てで逃げ出してます。↓では逃げるタイミングを間違えた何羽か完全に潮をかぶってますが、大丈夫なのか。

岩場にとどまって海水を少し飲んだりできるのはわずかな時間で、飛び立っていったん陸の方にいったん引き上げては、また何分か後に大小の群れとなって戻ってくる、その繰り返しをしているようです。

さきほど到着した時は、その何分かの「幕間」の時間帯だったというわけですね。

わたしの55-300mmでは、これがアオバトの姿を最も大きく撮れたショットかなあ。残念ながら皆後ろ姿ですが(爆

この写真では「海水を飲んでるところ」が撮れたっぽいです。そういう意味ではこれでも成功ショット。

アオバトにしてみれば、タイミングよく逃げるには波が寄せてくる方を注意して見ていないといけないから沖を向くんでしょうね。だから基本的に海岸から撮ろうとするとこうしてハトのお尻ばかりになりがち。

大磯のアオバトは、神奈川県の天然記念物に指定されているそうです。防波堤上には、こうしてアオバト飛来地の解説ボードが掲げられておりました。

以下、この看板からの引き写しですが、

大磯照ケ崎では、丹沢山地から飛来するアオバトが多く、初夏から秋にかけて多い時には1日で延べ2000羽以上が観察されます。このことは、満潮時にも海水を飲むことのできる岩礁があること、背後に大磯丘陵が接近して深い森林に恵まれていることなどの好条件を備えているためと思われます。

だそうです。わかりましたか?

大磯町としても観光資源としてのアオバトには力が入っているようです。町の公式ページのリンクも貼っておきましょう。

アオバト|大磯町ホームページ

というわけで、大磯でアオバトを観たぞ、の巻でした。クルマでももちろん遊びにこれますが、東京駅から1時間ちょっとの大磯駅から徒歩10分ですから、電車で気軽に出かけてこれます。ご興味があれば夏の間に、是非。

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