2年ぶりの京都 嵯峨野・祇王寺へ

祇王寺です。
「そうだ、京都行こう」1994年秋編、2021年初夏編のキャンペーン映像の舞台となったあの祇王寺です。モミジと苔の名園で知られるお寺です。

JR、嵐電、阪急のいずれの駅からもちょっと遠いこともあってこれまで足が向きませんでしたが、今回は鳥居本から下る道すがらで立ち寄れます。12月上旬、紅葉でも新でもないシーズンオフの今、人気(ひとけ)のない祇王寺は面白いかも、人混みを気にせず心行くまで写真が撮れるかも、と思ってやってきました。

行ってびっくり、驚きました。

わたし、祇王寺のモミジを舐めてましたね、ごめんなさい。12月上旬、名残の紅葉でこの美しさでした。ほんと、度肝を抜かれました。

さてお寺の入口まで時間を巻き戻しましょう。
流石に12月ですからね、確かに訪問客がほとんどいない静かな佇まいの祇王寺でした。

垣根で目を惹いた、松かさと赤い実。

茅葺き門にの向こうに冬枯れた枝ぶりと青空。

冬らしい美しさだなあ、季節外れも良いものだよなあと、この時はまだ落ち着いてそう考えていました。

で、庭園に入ると、どうでしょう、この青々とした苔の庭。

まじか。この見事な青さは凄いな。この季節にどうやるとこんな庭が保てるんだ、と感心する間もなく・・・

竹林の側はこの赤と黄色の饗宴。

なんじゃこりゃあ!
12月やぞ。この庭だけカレンダー間違うてへんか?

いや、間違いではなく、ここでは12月に入って苔もモミジもすこぶる元気なようです。


さすがにおかしいやろ、と思い深呼吸して一度目を閉じて落ち着いて確かめてみても、ファインダーの中も外も、間違いなくこの景色なのです。

祇王寺では初冬の紅葉が楽しめることを学びました。これであと10日早くに来れていたらどれほど恐るべき絶景だったでしょう。もちろん、その時は人出の多さも恐るべしなんでしょうが。

お寺を後にして、嵐山方面を目指しつつ嵯峨野を散歩します。
ススキの穂の向こうに落柿舎の茅葺屋根。

元気に走る子らの姿を借りて、落柿舎正面の図。

藤原忠平(貞信公)が「峰の紅葉に心はあるのならば紅葉よ散るな」と詠んだ、小倉山初冬の図です。以前、初夏にここから撮ったことがあったけれど、季節が違うとまた違う見え方になって楽しいですね。

人混みを避けて歩きたかったのですが、嵐山が近づくとそうもいきません。ここから急激に人影が増えてきて、おちおち撮影とかしていられなくなります。竹林のこのあたりが、ゆっくり写真を撮るには限界。

このあと踏切を渡るともう人の波。落ち着いて撮れないし、無理に撮っても意図しない人の表情や目線の写り込みが避けられません。

行き交う人はまだ日本人が大半です。とはいうものの、中国語、韓国語、英語、タイ語まではなんとか聞き分けられて、そのほか知らない言葉を話す人たちも多数。お客さんが増えるのは観光業としては大歓迎なのでしょうが、写真撮影の点ではまたいろいろ悩ましいことになっていきそうです。

嵐山駅までの間、カメラは無用の長物になり果てました。
というわけで、嵯峨野散歩のゴールは竹林から一足飛びに、嵐電の入線風景です。

というわけで、人影がまばらだった奥嵯峨からぶらぶらと2時間あまり歩いて、渋谷と見間違うばかりの人混みの嵐山まで下ってきました。

このあと、嵐電で北野白梅町に向かい、次回は天満宮にお参りしていきます。

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