前からちょっと気になっていた美術展があって、東京駅近くのアーティゾン美術館にはじめて行ってきました。こちら、前身はやはり八重洲にあったブリヂストン美術館で、2020年に移転・リニューアルして名前も改まりました。
企画展:抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォービズム、キュービズムから現代へ 2023.6.3.-8.20
この記事の投稿日からまだしばらくの間は会期が続くので、↑のサムネイルもそれまではこの企画展のものが生きていると思います。小さなリーフレットのスクショも載せておきましょうか。
芸術はまったく門外漢ですが、ときどき、抽象画の中にわからないなりに妙にわたしの琴線に触れるものがあります。今回「抽象絵画の歴史」を素人向けに解説付きで展示してくれるらしい、ということで気になっていたというわけです。
思えば、東京駅の八重洲口に降り立つこと自体が久しぶりかも。
大丸が増床オープンして綺麗になってからとれくらい経つのだっけ?というくらい東京駅八重洲口事情について感度の鈍いわたしです。もうヤンマーのビルも八重洲ブックセンターも無いんですねえ。
↑の帆を張ったような大屋根とか、右斜め向かいの真新しいミッドタウンの巨艦ビルとか、八重洲の風景の変わり方にただただ呆然。
今回持参したカメラは、LUMIX GF10と12-32mmズームです。軽さは正義。こういう蒸し暑い日は猶更に。
昔は小汚くて気の滅入る場所だった(個人の感想です)タクシー乗り場もあか抜けた雰囲気に変わってます。
蒸し暑かったので空調の効いた地下を歩いていくことにしました。八重洲地下街は何度かの改装を得て綺麗にはなってますが、昔とあまり雰囲気は変わってませんね。
地下街を突き当たりまで進んで中央通り京橋あたりで地上に出ると、すぐ目の前に目的地が見えてきます。この高層オフィスビルの1~6階がアーティゾン美術館。
あまり説明する写真ばかりでもつまらないので、ちょっと構図に凝ってみましょうか。
展示作品の半分くらいが「撮影可」という太っ腹な展覧会でしたが、やはり作品写真をブログにペタペタ貼るのはアレかなと思いますので、遠慮気味にほんの一部だけをご紹介。慣習的にアーティストについては敬称略で失礼します。
ミロはわたしが大好きな抽象画のビッグネームです。彼がまだ何だか少しわかる絵を描いていた頃の作品
そして同じくミロの、わからない絵を描くようになってしまった後年の作品。わたしはこのミロの方が好きです。
この人の絵も好きです。ジョージア・オキーフ。
日本人の作品もたくさん展示されていますが、その中からオノサト・トシノブ。
絵画ではなく、大判撮影した風景や建設物の写真を”抽象”作品として制作されている柴田俊雄。この法面補強工事を題材とした作品は迫力がありました。
もちろんこのほか撮影不可の作品を含めて、頭があまり良くない上に固いわたしですら、展示作品の前でしばし足を止めて魅入ってしまうもの続出の魅力的な催しでした。
今回たくさん抽象絵画を見ましたが、その絵の芸術的な評価は別にしてわたし個人にとってピンとくるものとこないものが確かにあります。「くる」絵については、そこに描かれた「名づけがたい形容しがたい何か」が自分でも意識できていない「魂のかたち」に似ている、だからごく個人的に「くる」ということではないのかな、と最近は勝手に解釈をして楽しんでいます。
抽象画黎明期のモネ、ピカソから、レジェ、ミロ、カンディンスキー、ロスコ、アルトゥングなどのビッグネーム、白髪一雄や草間彌生ほか日本人作家を含め、全館あげての大展覧会です。わたしはサイズと重量に気圧されて購入しませんでしたが図録もぐっと分厚い大作です。
オープン間もない美術館だけあってピカピカの館内は実に快適。図録は右上に見えているミュージアムショップで買えます。未確認ですが、ショップだけなら入館しなくても行けるのかもしれません。
ご興味ある方は是非。