歌川広重 名所江戸百景の七景は大てんま町木綿店。元の絵はこちらです。
現在の中央区日本橋大伝馬町1丁目のあたりに木綿店(もめんだな)が軒を連ねていた時代があったそうです。広重の版画では整然とお店が並ぶ中を綺麗な女性たちが歩く華やかな絵柄になってます。
しかし現在のこのあたり結構殺風景なビル街で、特にテキスタイル関係の会社が多いという感じでもなさそうです。おまけに訪ねたのが人通りの無くなる都心ビジネスゾーンの週末とあって何をどう撮るか困りました。
ええい、ここは思い切り殺風景なまま撮ってしまえということで。
こういう都心立地にも大きな集合住宅がどーんと建つようになっているのも、いかにも2024年東京の風景ではあります。
殺風景を強調しようと仕上げをPENTAX「銀残し」風(自作なんちゃってプロファイル)にしましたが、やりすぎですか?元の絵の左端には町内への出入りを制限する木戸が表現されていて、写真ではそのかわりに交通標識をわずかに写り込ませてみました。
大伝馬町には、江戸時代には宿場から宿場へ荷物を載せて運ぶ馬を手配する役所があったのだそうですが、今の風景からはなかなか想像がつきかねる感じがします。
さて、撮影地から昭和通りを隔てた西側に来てみると、同じようなオフィス街でも街路樹が華やかに咲いてくれていました。3月初旬、早咲きの寒緋桜とかいうやつかなあ(例によって名を識らないわたしです)。
少しはお散歩写真ぽい感じで撮ることができたところで、せっかくの花景色を活かしてここは「銀残し」と真反対のプロファイル自作「ほのか」風で。
そのまま少し歩きます。JR神田駅の近く、高架下の飲食店街を横目に見て進みました。
週末の午前という、飲み屋が最も静かで冴えない時間帯でしたので、ここはもう一度「銀残し」風で。
ということで、プロファイルで遊んだりしつつ、次の撮影地である九景筋違内八ツ小路が近づいてきました。