根岸競馬場跡

昔なにかの雑誌で見て頭の片隅に残っていた記憶が急に蘇ってわたしを急かすものですから、横浜の根岸まで行ってきました。目的地は記事タイトルのとおり根岸競馬場跡です。

ともかく行って撮ってきたぞ、ということで最初にこの写真から。

何じゃこれは、と思った方のために、例えばこんなサイトを紹介しておきましょう。

横浜「馬の博物館」根岸競馬場や馬の文化・歴史学べる!ポニーセンターには本物の馬も | はまこれ横浜
根岸森林公園内をぐるっと散策し、その流れで公園に隣接する「馬の博物館」「ポニーセンター」に初めて入館してみました。 横浜は日本の洋式競馬の発祥の地といわれており、1866年には根岸競馬場が完成。 根岸森林公園にはその競馬場の一等馬見所が残っており、博物館ではこの競馬場...

幕末の開国にともない横浜は外国人が数多く居留する町となりました。根岸の丘の上に日本最初の西洋式競馬場が設けられたのが1866年(慶応2年)でした。なんとまだ年号が明治に代わる前だというのですから、この町に流れ込んできた西洋文化の勢いがいかに凄いものであったかが窺われます。

わたしが撮ったのは関東大震災で一度崩壊した後、1929年(昭和4年)に建設されて現存する一等馬見所(観覧用スタンド)の建物です。かつては隣接する二等馬見所も健在でしたがこちらは老朽化して危険ということで1980年代に取り壊されてしまいました。一等馬見所の方は2009年に経済産業省の「近代化産業遺産」に指定されて今に至っていますが、囲われて立ち入り禁止の措置はとられているものの、素人目には大きな修復保存の手は入っていないように見え、雨ざらしで朽ちるにまかされている様子。これで大丈夫なのかなあ。

現地までは、JR根岸線の根岸駅から横浜市バスで急坂を上って根岸森林公園バス停まで数分。さらに丘陵に広がる公園内を登って下って少し迷った分も含めて徒歩10分くらいでした。後でわかりましたがこの建物を目指すなら山元町4丁目のバス停から(結構な上り坂ですが)歩いた方がたぶん早い。

肝心の馬見所ですが、「旧時代の貴重な遺産」の建造物を撮りに来たつもりで、確かに見ごたえ十分なのですが、なんか「廃墟」を撮ってる気分になってくる。


↑の写真で見ると、なるほど「観覧スタンド」だなとわかりますね。

スタンド裏に回るとこんな様子です。

建築図面や「現役」時代の貴重な写真なども現地で掲示されていて、このへんはなるほど「公園施設として保存」されている雰囲気も感じます。

いろいろ難しい面はあるのだろうけど、修復とか耐震補強とか、うまく進めてくれると良いんだけどなあ。

一等馬見所を含めて旧競馬場全体が広大な公園となっています。足下で熱心にバスケットボールの練習をするキッズの姿が、老いた建造物と好対照。

さて、きちんと補修・保存してできれば内部も見学できるような施設に蘇らせてほしいとわたしは願っています。それはそれとして今のところ観た感じがちょっと廃墟っぽいということで悪ノリして(笑)廃墟写真風にハードなモノクロ仕上げを試してみました。


わたしの内なる願いとは別に、これはこれで写真としては面白いかな、と。

今回は建物写真ばかりになってしまったので、次回は森林公園や周辺での撮れ高を消化する記事になりそうです。

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