Prime lens散歩 不忍池~旧岩崎邸

思えば関西から上京したのは遥か昔のことで、東京暮らしが随分と長いわたしです。このウン十年で東京のたいていの場所は「行ったことがある・知ってる」気になっていましたが、昨年知人の用事で普段の自分の生活圏・お仕事圏じゃない田端だの四谷だのを訪ねた時に、「まるで知らない東京」がまだまだたくさんあることに改めて気が付きました。

2023年は「知らなかった東京」を積極的に歩いてみようかなと。そのついでにドライボックスの肥やしになっているもったいない単焦点レンズをしっかり使って、撮影のスキルを少しでも高めたいものだなと。

というわけで、台東区・下谷から上野駅界隈を過ぎて、不忍池にやってきたところです。上野公園や上野動物園は何度も来ているのに、なぜか不忍池にはこれまで足が向かなかったわたし。

陽射しはありましたが吹き流しを見るとわかるように風が強くて冷たいです。弁天堂手前には露店が並んでいますが、客も店の人もみな寒そう。

冬枯れた不忍池。夏には池一面が蓮の花と葉で埋まると聞きましたが今はしばし休息の季節。

大黒天のお堂。花の季節には良い題材になりそうですが今はどうみてもオフシーズン。でもこれだけ枯れた姿だと却って面白いかもと思って撮ってみました。

弁財天前の香炉。
手元だけ借景したつもりで写り込んじゃった女性の表情を後処理でボカしましたが、仕事が雑であまりうまくいってないですね。やはり最初のフレーミングが肝心。

池の中ほどを渡りながら弁天堂を振り返ります。枯れ蓮・枯れ枝だらけですが晴天で明るい御蔭でちょっとした「春を待つの図」にも見えますね。

不忍池ではこの寒いのにボート遊びの人多数。ゆりかもめの背景にちょっと拝借しましたが、肝心の鳥のピントが甘くて残念(苦笑)。

池の端に出て、東天紅の脇の道を入っていくとすぐにこんな赤茶けた塀が目に入ります。

これ、旧岩崎邸庭園の煉瓦塀です。ここも昔から話を聞いてはいたのに一度も来たことがなかった。

というわけで旧岩崎邸に初訪問です。

邸内は撮影NGなのが残念。
靴を脱いで絨毯敷きの冷たい床を歩いて見学しました。いや、その豪華絢爛たるや。建築だの室内装飾だの家具調度だのに関する教養見識が皆無のわたしが見ても一目瞭然、ため息の連続する邸宅鑑賞ができました。話には聞いていましたが(特に戦前の)財閥を舐めちゃいかんですね。三菱さん、甘くみててほんとにすみませんでした。

邸内巡りを終えて外に出たら外観は撮影OKです。

あらかたフラットに整地されてしまっている庭の奥からの全景。写真では左端に写っていますが、総2階の明るいバルコニーがなんとも贅沢。

右に見える複雑な屋根形状の平屋の建物は、なんと「撞球室」だそうです。あれですか? 葉巻でも嗜みながらビリヤードで遊ぶのが、上流階級の紳士の社交ってやつですか?
この撞球室、左の洋館とは地下室同士でつながっているそうです。恐れ入りました。

山小屋風に作られている撞球室ですが、近くで見て見ると山小屋どころかきっちり面取りされた木材で実に緻密な造り。柱の意匠も凝っています。

いやほんと、旧岩崎邸すごいわ。もう1回、2回とゆっくり見に来たいです。

今回は15mm,31mm,77mmを使っています。なんとなく15mm超広角には苦手意識が(いまだに)ありますが、街角スナップで「そこそこ使える奴」なことを発見しましたね。

このへんで庭園を後にして、湯島天神へと向かいました。つづきは次回。

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