RIKENON 50mm F2 L vs DA 50mm F1.8

旧サイトから記事を転載したため内容齟齬やリンク切れなどの不備が生じていることがあります。
***
オールドレンズXR RIKENON 50mm F2 Lを手に入れたので、試し撮りに出掛けました。画角と明るさが近いPENTAX DA 50mm F1.8と比較して、どんな絵が撮れるんだろう、ということで興味津々です。

まず最短撮影距離(60cm)近くで、どうボケるのかを、日向・日陰でそれぞれ試します。両者PENTAX KPでJPG撮って出し(カスタムイメージは”鮮やか”WBは”太陽光”)です。

XR RIKENON 50mm F2 L (F2 SS1/4000 ISO100)

PENTAX DA 50mm F1.8 (F2 SS4000 ISO100)
(両者全く同じ露出設定にしてみました)

ピントが来てるところのカッチリした描写は(ピント位置が微妙に違いますがご容赦を)、等倍まで拡大してみてもほとんど見分けがつきません。解像も色乗りの具合も同等に感じます。RIKENONの方が気持ちシャドー部が沈んでコントラスト強めに見えますが、たまたまなのか、どうなんでしょうか。

両方とも後ボケは自然で綺麗です。左上端部などで比べるとRIKENONのボケの方が少し硬い感じで、玉ボケの輪郭線もわりとはっきり出るようです。DAのボケの方が柔らかいですが、好みでいえば私はRIKENONの方が好きかも。

日陰だとどんな感じになるでしょうか。
このシーンでは、露出設定を同じにすると随分見かけの明るさが変わってしまう感じがしたので、ISO感度で手加減して調整しました。

XR RIKENON 50mm F2 L (F2 SS1/180 ISO200)

PENTAX DA 50mm F1.8 (F2 SS1/180 ISO100)

どちらの絵でも、ピントが来ているところでは、葉1枚ごとの微妙な光沢の違いや表面の質感が良く表現されていると思います。明るさに少し差があるので色乗りの違いについては語りにくいですね。

右下の金属格子のところの表現を比較すると、RIKENONは輪郭を主張する硬いボケになりやすいという傾向が、ここでも見てとれます。何を撮るかによって随分違うんでしょうが。

同じ構図で、F8まで絞ってみます。今度は同じ露出設定値で、見かけの明るさがだいたい同じになりました。

XR RIKENON 50mm F2 L (F8.0 SS1/30 ISO400)

PENTAX DA 50mm F1.8 (F8.0 SS1/30 ISO400)

この2点はほとんど差がわからないです。少なくとも私は、写真を入れ替えられてもわかりません。
RIKENONの写りがそれだけ現代的で、絞って撮れば、少なくともDA50mmという現代のレンズに匹敵する力を持ってるということかもしれません。

遠景でも試しておきましょう。

XR RIKENON 50mm F2 L (F8.0 SS1/750 ISO200)

PENTAX DA 50mm F1.8 (F8.0 SS1/750 ISO200)

共にパキッとシャープに写ってます。
RIKENONの粗探しをしたいなら、左上端の仮設囲いの部分を拡大して見れば、解像はDAの方が少し勝ってるとたぶん言えます。どうしてもそう言いたいなら、ですが。

ところで、
露出設定値が同じでも、レンズが違えば同じ明るさの絵にはならない、同じ明るさという概念自体が、現物の写真を前にすると、どういうことなのか良く分からなくなってくる、ということを、普段AE頼りで露出設定値を気にしない甘やかされた初心者としては、今回思いっきり勉強させていただいております(笑)。

さて、RIKENON 50mm F2 L試し撮りは以上でした。感想は

・精細な描写と表現力は現役世代の撒き餌DA50mm F1.8といい勝負
・ボケは自然だが、輪郭を主張してやや硬い。私は嫌いではない。
・ズミクロンは誉めすぎかもしれないが、お値段以上の良いレンズ

といったところです。

APSCサイズセンサーのカメラで、レンズの美味しいところだけを使っているという事情はありますが、40年前の格安キットレンズにしてはなかなかやる、のは間違いありません。

ただ、なかなかやる反面、オールドレンズっぽい味わいとか強い個性は感じにくい。これからどう使うと楽しいか、使いどころを考えないといけないな、と思います。

タイトルとURLをコピーしました