XR RIKENON 50mm F2 L

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周期的にオールドレンズに惹かれてしまうのはやはり病気でしょうか。
「カメラバカにつける薬」の先生に診てもらう必要があるでしょうか。
レンズ欲しい病に罹っている自覚は無いのですが、いつのまにか沼に手を突っ込んでポチっております。

今回、我が家にやってきたのはこの子です。

スマホで適当に撮りました。ピントが合って無くてごめんなさい。

XR RIKENON 50mm F2 L
私にとって、はじめてのKマウントのオールドレンズです。”和製ズミクロン”の異名をとったと言われているとかいないとか。ライカと比べちゃ可哀相ですが、オールドレンズ界隈ではそれなりに名の売れたレンズではあります。

ヤフオクで安く手に入れた代物ですが、実に綺麗な外見で、目視の範囲では特に目立つホコリやチリの混入も無く、何枚か試し撮りして動作にも特に問題はありません。これはアタリだったと思いたい。

M42マウントのタクマ―を数点揃えて「半世紀越しのPENTAX純正セット」とか言って勝手に(経済的にもお手軽に)満足していた私ですが、PENTAXブランドでないRIKENONに手を出してしまった言い訳は、何かあるんでしょうか。

あるんです。

アサヒペンタックスがKマウントをオープン規格としてスタートした時に、これを採用したカメラメーカーがいくつかあって、そのひとつがリコーでした。1978年発売のリコー製一眼レフXR500、その後継1980年発売のXR1000Sにキットレンズとして付けられていたのが、このXR RIKENON 50mmです。

1978年初期型の型番は XR RIKENON 50mm F2で、1980年以降の後期型が私の手に入れた、末尾にLの付く XR RIKENON 50mm F2 L。鏡胴が金属製からエンプラ製に変わり、最短撮影距離が45cmから60cmになるというスペックダウンのせいで、中古市場では初期型に比べて人気薄みたいですが、専門家のオーバーホール記事など拝見すると、「コストダウン改良の痕跡はあるものの、レンズの造りとして劣化しているわけでも無い」ようです。

当時リコーは自社でレンズ製造をしておらず、初期型と後期型のこの2世代のレンズをOEM供給したのが、オールドレンズ界でその名を知られた富岡光学だと噂されています(OEMですから公式には認められませんよね)。
因みにこの時期、富岡光学器械製造所はヤシカの傘下でツァイスブランドのレンズを作っていました。

俄か勉強したので情報量が多くなってごめんなさい。
要は、RIKENONはリコーブランドの日本製レンズなんですよ。1980年の時点で、リコーが将来PENTAXブランドのオーナーになる、と予見した人がいたかどうかわかりませんが、両者は後年、運命の養子縁組をすることになるわけで、私は、リコーのレンズとPENTAXのカメラで、”宿命の純正セット”くらいは名乗れるのではないかと思います(いや、別に名乗りたくないだろうけど)。

同じ技術を愛した人たちが、それぞれの時代で苦労して作ったモノ同士が時を越えて思いがけず出会って、一つ屋根の下でいい感じに収まる、という話に、おじさんはロマンを感じるんです。それが、RIKENONにレンズ自体の評判だけでなく惹かれた理由。

知ってる人は先刻よくご承知の話を、長々とすみません。

能書きはいろいろありましたが、カメラとレンズですからね、写真を撮らなきゃ何も始まりません。近日「撮ってみた」記事をアップしますね。

最後まで見ていただいて、ありがとうございました。

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