KP J limitedをどう考えるか

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PENTAX使いにとって、無視できない新製品のニュースが6月になって飛び込んで
きました。

PENTAX KP J limited

PENTAX KP J limited / 製品 | RICOH IMAGING
「PENTAX KP」をベースに、ファクトリーカスタムならではの、大量生産では不可能な高品位で手間のかかる加工や特別色の塗装、パーツ変更などを施たJ limitedシリーズの第一号機。

もうご覧になりました?
GRIIIのヒットで上げ潮ムードのはずのリコーですが、各カメラメーカーが、フルサイズミラーレスを中心に高機能高性能新製品を競って市場投入しまくっているこのご時世に、現行品カスタムデザイン、新機能一切なしのAPSC一眼レフの「新製品」です。

ちょっと眩暈がします。うーん、いいのか、これで?

CP+ 2019でJ limitedの原型にあたるモデルの展示を見た時の私の感想は、情熱的なデザイン提案に感心はしましたが、スペックの上積みが無いのであれば、グリップやペンタ部はノーマルKPのままで十分にカッコ良いから別にいいや、と。平たく言うと、これに入れ込む理由が、今一つわからんな、と。

因みに、これがその時の展示コーナーですね。

自家用車の業界では、モデル末期の延命販促策として、内外装デザイン・アクセサリーなどに少し新味を付け加えた「特別仕様車」が発売されることは良くありますが、基本的にクルマとしての進化は無く、モデルチェンジ前の在庫消化を促進し値崩れを防ぐための「目先を変える販促」の域を出ないことが多い。
まさかJ limitedもその類なのか?

いや、さすがにそれは無いか。
昔から、多色カラーバリエーションを展開したり、中判カメラのボディを漆塗り仕上げにしたりという無茶な遊びをやってきたPENTAXですから、そのDNAというか社風が、今回たまたまこういう形で出ただけ、なのかな。

だとしても、
「またやってるな」「そういうとこ憎めないな」と余裕で反応して、温かく見守っていて、業界下位の小規模生産者PENTAXは大丈夫なのでしょうか?
私は率直に言って、心配。

ひょっとして逆か? コアなPENTAXIANの方々の一部が非常に盛り上がっているところを見ると、私の考えが浅はかすぎるのか?
写真やカメラを、アマチュアが愉しむホビー/カルチャーとして捉えれば、下位で販売台数の量的背景が無いメーカーだからこそ打ち出せる、こういう「遊び」を貫くことこそ、逆を衝いた差別化戦略なのか?

うーん、わかりません。想い千々に乱れる J limited発売でした。
やっぱり眩暈が(笑)。

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