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京都でデビュー戦を飾ったsmc DA FISH EYE 10-17mmですが、事前情報として
1)対角180度の魚眼レンズだが、Lightroomで歪み補正できるので広角レンズ的な使い方もできる
2)周辺部の色収差が激しいが、Lightroomでかなりのところまで手軽に補正できる
という2つの噂を聞いておりました。
物凄くアテにして期待していた、というわけではないのですが、Lightroom使いの端くれとして、試してみない手はないでしょう。
#Adobe Lightroomをご存じない方は、リンク先をご覧ください。
まずは歪み補正から。
元の絵は、何日か前のエントリーでアップしたこれ。
で、RAWファイルにLightroomで「レンズプロファイル補正」をかけ直すと、こう。
ぎゃはははは、なんじゃこりゃ。
確かに歪みは無くなってるが、良いのかそれで? これじゃ魚眼全否定(笑)。
もう一発。元の絵はこれ。常寂光寺の高台から嵯峨野の里を望む。
で、補正すると。
むははは。ダメだやっぱ。笑いを堪えられん。おちょくられているようだ。
歪曲がすっかり「補正」されてるが、なんか微妙に不自然。無理やり真っ直ぐにしてるので、引っ張ったり詰めたりで周辺の画質が悲惨なことになってるし。
ということで、歪み補正は確かに効きます。認めます。たいしたもんです。でも、魚眼レンズの存在意義を根底から覆すこの所業は、面白いけど却下。
#歪み補正の「程度」を抑えれば良いのかもしれない。しかしそういう問題ではないような気もする。かなり、する。
ふたつめのお題、色収差補正。
明るい光を受けたコントラストの強い画面では、特に周辺部で強い色収差が出るらしいと聞いてました。確かに、青空バックで木立を撮ったりすると盛大に出ます。色収差と呼ぶのもはばかられる、パープルフリンジのお化けというか、偽色のモンスターというか。
上の写真からの等倍切り出しですが、例えばこう。
真ん中の太い竹や、その左の細い竹の幹に沿って、濃い紫色のフリンジお化けが出ています。
これの元になったRAWファイルに、Lightroomで「色収差補正」ワンクリックするとあら不思議、ハイ!
ハイ!・・・ ハイ!・・・ん、どうした?
一瞬で、すっとお化けが消えるんじゃないの? どうなってんのこれ?
2つの絵に違いがあるような、あまり無いような。補正が効いているといえば効いてるような気もする、でも・・・なんかビミョーな感じです。
気を取り直してもう1回。
なるほど、今度は確かに木の葉の周りの偽色が何割か抑え込まれて、効いてるフシがある。そんな気がする。
気がするものの、「手軽に補正できる」というフレコミとは、なんか違う。補正後も偽色は十分に元気です(苦笑)。
いろいろ調べてみると、色収差補正の効き目は、ケースバイケースでいろいろのようです。上の例のように盛大にやらかしてしまっている絵では、なかなか厳しいみたい。
というわけで、FISH EYE購入以前に聞いていた2つの噂は、いずれもウソではなかったですが、実用性はいまひとつでした。
でもメゲません。もともとそれほど期待はしていなかったので。
超広角の代わりとか、周辺まで高画質、とかいうへんな色気を出さず、魚眼という特殊なレンズの面白さを突き詰めて、活かしていくことにしましょう。