写真の腕前はさっぱり上達しませんが、いつからかもうそれは気に病まないことにして、永世ビギナー写真愛好家を自称してひたすらフォトライフをエンジョイするようになりました。
しかしそんなわたしにも、せめてこれだけはどうしてもクリアしておきたいという技術的課題があります。
小さなカメラで撮る時の手振れをなんとかしたい。
S5やK-3IIIなどのある程度の大きさ・重さがある一眼カメラでは、酷い手振れを防ぐコツは最近ようやく掴めてきているのです。ここぞという撮影の時には、身体を壁や柱に預けるか足を踏ん張るかして不動状態を作った上で、両手と頬骨で互いに押し合ってしっかり3点支持すれば手振れはたいてい防げます。
問題は小さいカメラでの手持ち撮影。私の機材でいえば LUMIX GF10やFUJIFULM XF10 で、この両機は手振れ補正機能が無いこともあって(わたしが使うと)ガンガン手振れ写真を吐き出します。
恥ずかしながら、わかりやすい失敗例。写真展の情報と会場の雰囲気をいっぺんに記録して帰ろうと撮ったのですが、ブレブレで情報の方は役に立たず。
慎重に両手で構えて細心の注意を払ってショットしてみても、さほど改善されません。時おり雑誌などで上手なプロ/アマの写真家が片手でノールックショットするテクニックを披露されているのを見かけたりしますが、私から見れば神ワザ以外の何ものでもない。じっと手を見る。
いつまでも嘆いては居られないので、今回は一念発起して、手振れ防止強化週間として活動に取り組み、1/50秒前後の(わたし的に)油断してブレやすいSSで撮りまくって、GF10でどういう風に手振れが起きているのか、どうすれば防げるのかをあれこれと研究してみました。写真の歩留まりを良くして、こうしてブログ記事委のネタにもなるという一石二鳥。
いろいろ苦労した割に面白くない途中経過は省略して、その研究成果を発表します。あくまで私の場合の話で、他の人の参考になるかならないかわかりません。
1 私の場合、最大の悪さをするのは「右指でシャッターを押し込むときに、カメラがわずかに傾いてしまう」動きらしい。
2 ファインダー付きカメラの場合には畳んだ両腕と頭の3点支持でカメラの動きを殺せるのだが、ファインダーが無い小型機では背面モニターを見るために中途半端に伸ばした腕で不安定な2点支持(片手持ちの場合は1点支持)となり、カメラが動いてしまうのを防ぎにくい。
3 構図を決めるためにはどうしても背面モニターを見ながら撮る必要があるので、”モニターが見られて、かつ少しでも安定する撮影姿勢”をどうる作るか工夫が必要。
4 試行錯誤した結果、構え方を下図のように変えることで手振れを改善できるという成果を得た。
右手はシャッターボタンに人差し指がかかるように他の4本の指で握ってカメラを上から下に押さえる。左手は掌底がシャッターボタンの真下に来る位置で下から上に押して、カメラをこの位置で上下から(実際にそんなに力を入れるわけではないけれども)万力のイメージで挟み込む。
これで両脇を絞めて、カメラのモニターを左目で見る位置で構えると、かなり安定させることができます。強化週間の末期には、かなりの手ごたえを得ることができました。
従来の姿勢で精いっぱい頑張って撮った1枚。真ん中の花に注目。
いままでは、これくらいで良いことにしようと妥協していましたが、
カメラの構え方を改善した後の1枚。
花壇の上から覗き込む姿勢に無理があるのでロープがかぶってしまいましたが、少なくとも手振れは防げています。ここまでちゃんと撮ることができて、ちょっとうれしい。
公園のミッフィー。これまでいい加減に撮って良しとしていて申し訳なかったが、今日はきちんとブレずに撮ってあげられました。
小さなGF10でも橋のアーチが気持ちよくビシッと撮れて、かなりの自己満足。
というわけで、脇を締めてちゃんと構えて撮れる場合に限れば、ようやくこれで手振れは防げそうです。同好の諸氏の多くから見れば何を今さらというトピックでしょうが、永世ビギナーとしてはちょっとだけ充実感を得ている今週なのであります。
お目汚し失礼いたしました。