二十景 川口のわたし善光寺

歌川広重「名所江戸百景」の二十景は、川口のわたし善光寺。元の絵はこちらです。

今の東京都北区・足立区と埼玉県川口市の3自治体が荒川と新芝川を挟んで境界を接するあたり、広重の時代には橋がかかっていなくて船で渡っていたようですね。「名所江戸百景」の中でここが最北端ですが、現代の地図でも東京23区のほぼ北端にあたりここから先は埼玉県ということになっています。

例によって画伯お得意の想像力の翼に乗った俯瞰の構図で、こんなもん撮れるんかいなと思って現地を訪ねてみたところ、荒川を渡る環七鹿浜橋の上から撮ると少しそれらしくなることがわかりました。というわけでこんなん出ました。

元の絵では川を使った水運で材木を運んでいるらしき筏が描かれていますが、現代においてはレジャーボートが川を下ってきてくれて、新芝川の水門とともに良いアクセントになってくれました。意外に面白く撮れて、自己満足度高し。

意外に、と述べたのは、大幹線・環七通りの鹿浜橋あたりは割と殺風景な景色が広がる産業地区で、現地近くでバスを降りた時にはこれは名所江戸百景的には厳しい環境かな、と事前期待がちょっと萎んでしまったのです。

しかし荒川の土手を上って橋の上に出てみると、案ずるより産むがなんとか。眼下には広い河川敷が広がっていて、野球のグラウンドやゴルフ場など思い思いに休日を過ごす人々が点在して眺められる牧歌的な風景を楽しむことができたのでした。

それにしても6月になったばかりで梅雨入りもまだ先だというだというのに、青空に広がる雲の表情はほぼ「夏の空」という感じです。天気予報では今年も暑くなっちゃいそうということで、その点については今からやや憂鬱なわたしです。

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