PENTAX K-70 親指AFで露出固定する方法

旧サイトから転載した記事なので内容齟齬やリンク切れなどの不備が生じていることがあります。
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以前から言っているように親指AFを信奉している私ですが、いくつか弱点もあるわけです。
ブログでも紹介しましたが「お撮りしましょうか」と善意で言ってくださる方にカメラを預けにくい、とか。

で、今回取り上げる弱点はこれ↓

PENTAX K-70ではAFとAE-Lがひとつのボタンに割り当てられていて、いずれかを使うと他方が使えない。

これをなんとかしたい。

被写体の明るさに合った露出(絞り×シャッター速度の組み合わせ)をカメラが自動的に設定してくれるオート露出がAE。AEを一時的に止めるのがAE-L(AEロック)です。
オート露出モードではカメラはどんどん勝手に露出を動かしてしまうので、いったん決めた露出を固定したい時にAE-Lを使いますが、K-70では親指AFと同じボタンの取り合いになります。

この取り合いを解決するひとつのやり方として、K-70の設定を「AFロック時にAEロックもオン」にして使うというのがあります。
ボタンを押している間は「どっちも効いてる」状態にしてくれる、なかなかgoodな手段です。

しかし残念なことに、「AFロック」はAF-S(一度だけピントを合わせてそこで固定)の時にだけ効くので、AF-C(被写体の動きに合わせてピントを調整し続ける)で親指AFを使う私には、向いていません。

では他にどのような方法で、K-70で「親指AF」と「AEロック(AEを止めて露出固定)」を両立させれば良いでしょうか。

いろいろ考えた末に、パンが無いのならお菓子を食べればよい(by マリー・アントワネット)、もとい、AEが止められないのなら、いっそAEを切ってマニュアル露出にしてしまえばよい、と思い至りました。

「Mモード(ハイパーマニュアル)+スポット測光」で解決することにしましょう。

具体的には、私は普段はK-70 を「Pモード+分割測光」で使っていますが、露出を固定したい時用に「Mモード+スポット測光」の設定を整えて、ユーザーモードU1に登録しておきます。露出をカメラのAE任せにできない、例えば明暗のコントラストが強いような被写体に対しては、このモードU1を使います。

モードU1(Mモード+スポット測光)にすると、当たり前ですがAEが止まります。カメラが勝手に露出を動かすことはありません。
その上で、露出を合わせたい明るさの場所をファインダー中央1点で捉えてスポット測光し、グリーンボタンを押せば、カメラがプログラムラインに沿った適正露出を(わかりやすく言えばPモード時と同じ露出を)設定してくれます。

Mモードなのに、グリーンボタンを押した瞬間だけオート露出。PENTAXの必殺技ハイパーマニュアルです。

このあと余分なことをしなければ露出は動かず、固定されています。
おもむろに構図を整え、親指AFでピントを合わせてパシャ。

初心者の私でも簡単に露出を操れる神機能、ハイパーマニュアルのおかげで問題解決です。ありがとう!

下手なサンプルですが、例示してみます。
機材はPENTAX K-70+ HD PENTAX DA 16-85mm f/3.5-5.6 ED DC WRです。

「Pモード+分割測光」で(もちろん親指AFで)撮影して、JPG撮って出し。

ある日の新宿御苑の庭園風景ですが、目に見えてる景色は、こんなに白っぽくないんです。もっと陰影のある花と木立と水の情景が見えているのですが、再現できていません。

そこで「Mモード+スポット測光」でもう1枚撮ってみます。左上の木に咲く花の明るい中心あたりでスポット測光して、ハイパーマニュアルで露出を設定。同じくJPG撮って出し。

露出を明部に合わせることで絵が引き締まり、立体感や空気感を少し伝えられる写真になりました。

だたし、そのあおりで暗部が黒つぶれしそうになっているし、再生するモニターの設定によってはすごく暗い絵に見えるかも。コントラストの強いシーンは、よくよく気をつけて撮らないといけませんね。

ともあれ、これでK-70で親指AFと露出固定を両立させられそうです。まだひとつひとつ声を出して確認しながらでないと操作が怪しい私ですが、熟練度を高めて、流れるように自然に使いこなせるようになりたいものです。

え、ハイパーマニュアルの絞り×SSの組み合わせが気に入らない時はどうするか、ですって?
そういう上級者向きのご質問は、当分はナシの方向でお願いします(笑)。

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