歌川広重「名所江戸百景」の写真散歩、番外編の埋め草記事です。
六十三景「八つ見のはし」は、現在の東京駅日本橋口近くに現存する一石橋からの眺めを描いたこちらの絵です。
絵の中央でタテ方向に伸びている運河は現存せず、埋め立てられて永代通りとなっているので、さてどう撮ろうかと思案しながらとりあえず現地まで行ってみたのですが、なにやら工事中の囲いができて近寄れなくなっていて、えーと・・・
い、一石橋を撤去する?
たしかに看板にはそう書いてあります。現地で通行人整理の係の人に尋ねてみたところ
「一石橋を拡幅して架け替える工事です。現在の橋を上り下り片側ずつ壊して架け替えていくと聞いています」
とのことでした。
帰宅して調べてみたら、なんやかんやで、新しい一石橋が完成するのは2040年(!))とのことです。
一石橋の架替え:首都高速道路日本橋区間地下化事業
首都高日本橋区間地下化事業における工事について施工方法をご紹介します。工事の進捗に合わせ新たに追加公開していきます。
・・・わたしの名所江戸百景散歩、六十三景の撮影は、現在できないだけでなく将来果たせるかどうかも、ちょっと怪しくなってきました。
気を取り直して、片側を取り壊し中の一石橋の姿を、別の場所からいちおうカメラに収めてきました。
ところで、一石橋でもここまですべてLUMIX S20-60mmで用事が足りました。
中望遠のお守り代わりにバッグに入れていたSIGMA 90mm F2.8は出番なく帰宅、となるところでした。しかし、ここまでの文脈と関係なく、橋の近くで紫陽花が美しく群生しているのを見つけたので、首都高の高架を背景に撮ろうとしたら60mmでは足りなかった。
ようやくSIGMA 90mm の出番です。
じわっと滲んで溶けるような後ボケと、瑞々しい前景の紫陽花。さすがに単焦点の写りはひと味違いますね。
以上、六十三景の撮影の前途は多難であるとわかった、という雑記でした。