三十一景 吾嬬の森連理の梓

歌川広重「名所江戸百景」の第三十一景は、吾嬬の森連理の梓(あじゅのもりれんりのあずさ)。元の絵はこちらです。

現地は今の墨田区立花あたりです。難しいタイトルの意味ですが、連理は同じ根から2本の木が伸びたり、2本の木の枝がつながってしまったりしているもののことで、当地の吾嬬(あづま)大権現社に連理のクスノキの名木があって一帯は風趣豊かな行楽地だったそうです。梓は「樟(クスノキ)」という字を広重が書き間違ったか、版木を掘る際に職人が間違ったかではないかと言う説があるとのこと。へー。

吾嬬神社の参道はごく小さくなって雰囲気も変わってしまっているので、元の絵の雰囲気にちょっとでも近づけられないかと、付近の立花公園の木立を神社参道の木々に見立てて北十間川越しに撮ってみました。

見立てが成功したとは言い難いですが、心の眼で「寄せて」眺めていただきつつ、なにとぞご寛恕賜りたく。

吾嬬大権現社は吾嬬神社として写真の地点から200mくらい西に現存します。もともと日本武尊の東征の際、身を挺して暴風雨を鎮めた弟橘姫(おとたちばなひめ)の遺品を集めて祀ったという由緒のある神社だそうです。そして件の連理の樟は、日本武尊の使った箸を地に差したところからが生まれたという伝説があるとか。

だから吾嬬(=我が妻)なのか。今の地名の立花も弟橘姫と関係があるのかな。

現在の吾嬬神社のこじんまりとした参道。

残念ながら、連理の樟は大正年間に枯死してしまったそうです。うむ。

さて、この三十一景はあの名勝三十景 亀戸梅屋舗と至近距離にあり、付近にはほかにも亀戸天神など有名寺社がいくつもあって観光地としてなかなか見所が多かったのではないでしょうか。有名寺社のひとつ、香取神社に帰り道に立ち寄ったところ境内でいくつか写欲をそそられる被写体に出会ったので、名所江戸百景と関係ないですが(笑)2点ほどスナップしておきました。

石畳からの反射光で迫力ある表情になった狛犬様。

元気いっぱいのガクアジサイ。

6月中旬のかなり暑い日の名所百景撮り歩き。だんだん気軽にスナップ散歩するのが厳しい季節になってきましたね(苦笑)。

今回の”百景”撮影地

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