二十二景 広尾ふる川

歌川広重 名所江戸百景の二十二景は「広尾ふる川」です。元の絵はこちら。

近くを通りかかる用事があったので、いきなり項番が飛んで二十二景ですが、まあご容赦いただきたく。

それにしても、江戸とはいっても街中でなく郊外に来るとさすがは「名所百景」、広重の絵も途端に風光明媚な感じになりますね。現地は古川にかかる四の橋(しのはし)のあたりの眺めと思われます。

そして2024年の四の橋はまったく郊外ではなく東京・港区の超都心なのでこのようになります。

風光明媚とはちょっと違うかな(笑)。まず何より、現代の古川は首都高速に蓋をされて空がありません。遊歩道を設けて少し親しみやすい場所にしようと河岸の整備が進められているように見受けましたが、そのあおりで目下のところあまり写真映えしない工事中区画が多いのには閉口しました。できるだけ川面が見渡せて少しでもグリーンが画角に入る構図を、これでもかなり苦労して探したのですよ。

古川を挟んで向かって左が白金の台地、右が麻布の台地となり、このまま前方の上流方向に進むと川の名前が渋谷川と変わって渋谷に至る、という地勢は江戸時代も現代も変わらないのですが、知らなければ同じ場所だとは思えないですねえ。まさに隔世の感があります。

上を走るのは首都高5号目黒線で、もう少し手前の古川橋あたりでは地上高が上がって高架下が利用可能になり、昔ながらの建具屋さんや工事屋さんのほか、花屋さん、洒落た雑貨屋さん、今風のコワーキングスペースなど多様な表情が観れて面白かったです。サムネイル用に横構図の写真を置いておきましょう。

さて、次はどの百景を訪ねましょうか。

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