東京・半蔵門に一般財団法人 日本カメラ財団(JCII)という組織の本拠地ビルがあってですね、タイトルに挙げた写真展をやっていて直感的に惹かれたので観てきました。
会場はJCIIビルの隣の建物の1階、こちらです。
写真展入口の様子。
チャールズ・ユンカーマンさんは職業写真家ではなく、1952年頃に米軍横須賀基地病院の内科医として赴任して家族で葉山に住んだ方だそうです。 日本でニコンのカメラを手に入れて写真の趣味が本格化し、葉山・横須賀・鎌倉を中心に多くの貴重なカラースライド写真を製作してくれました。ご本人は健在とのことで何より。息子さんが映画監督として日本でも活動されていて、この写真展の関連イベントでは登壇していただいたようです。
そしてこの写真展、凄く良かった。素直に感動的でした。
アマチュア写真愛好家として、異国で心に響いた風景をあれもこれも撮って撮って撮りまくる、とにかくカメラを構えて撮るのが楽しくて仕方がない、そういう作者の気持ちが観るものにビンビン伝わってきました。
あまりに良い気持ちになったので、写真展で頒布されていた図録の表紙を載せておきます。権利の関係でアレかもしれませんがお見逃しいただきたく。(自宅のスキャナーがA4サイズなので下端の数%が見切れてしまいましたが、原本はJCII PHOTO SALONと記載されています。わざとじゃないんです、ごめんなさい)
わたしが特に気に入ったのは、葉山と横須賀の活き活きとした商店街とそこで働く人々の写真。昔のモノクロ邦画の”作り物”しか知らないわたしに50年代のリアル日本を鮮やかなカラー写真で切り取って魅せてくれて、ハートに沁みました。
会期は5月7日まで。無料なのが申し訳なく感じる素晴らしい写真展です。なんとなく気になる方は、お出掛けいただいて後悔されないのではないかと。
あと、JCIIビルの地階にはカメラ博物館があって、18世紀のカメラ・オブスキュラに始まるカメラの歴史解説と、それ以降現代に至るまでヨーロッパと日本のカメラメーカーが生み出した名機の数々の実物展示がされていて、なかなかの見ものです。
不明にしてこれまでJCIIという団体の存在自体を知りませんでした。1950年代に日本のカメラを世界に輸出するに際しての品質検査・品質保証をするために各社が共同で作った業界団体が前身とのことですが、この半蔵門の立派なビルのオーナーではあるらしいけれども今は実質的に何をされている組織なのかなあ・・・。写真愛好家のフォトライフに資する活動をいろいろしていただいているなら、今後少し気を付けてウォッチしておこうと思います。
そうそう、ついでの話ですが、JCIIビルの筋向いには「国民公園・皇居外苑半蔵門園地」という綺麗に整備された公園があってなかなか良い景色でした。
隣が英国大使館のカッコよい建物でそれも気分がいいし。この日はお天気がアレでしたが、良く晴れた日にまた来てみたいものです。
以上、半蔵門での写真展訪問の巻でした。