旅鉄ライト層を自称する通り、若干ですが血中「鉄」濃度が高めなわたしです。5月中旬に休暇をとって、只見線を撮りに行ってきました。
昨年秋に再開通した頃に行って以来、二度目の撮影行です。前回と同じく休暇は3日間なので「只見線を3日だけ撮る男」アゲインということになりました。今回はいちおう撮り歩いた順番に記事を書いていくことにします。只見線についての基本情報は↓をどうぞ。
現着した第1日はあいにくの雨。夕方までずっと小雨が止むことなく降り続く中、まずは滝谷川橋梁(滝谷-会津桧原間)で撮影を開始しました。
因みに、今回の機材は
PENTAX K-3III, smc DA 50-135mm F2.8 SDM, HD DA 16-50 F2.8 PLM
さらに補助用として
LUMIX GF10, LUMIX G 12-32mm F3.5-5.6, LUMIX G 35-100mm F4-5.6
を使いました。
13:08滝谷川橋梁 会津若松行き(右方向)428D
K-3IIIとDA50-135は防滴機材なので雨は苦にしません。拡大すると細かい雨が降っているのが写っていて、その影響で写真全体がわずかに白く煙っていますが、この時しか撮れない風景ということでポジティブに考えます。
滝谷川橋梁は県道沿いに「お立ち台」が整備されているのですが、橋梁下の滝谷川の流れを列車と絡めるために見下ろして撮りたかったので、後ろの山を少し登って林の中から(ここも有名な撮影場所)撮りました。眼下にそのお立ち台が見えました。
お立ち台は橋梁と列車をやや見上げて撮る感じになるので、また違う絵が撮れるはずです。青空背景とか夕陽を浴びる様子とか、良い感じで撮れるコンディションの時があればいつか試すときもあるでしょう。運転本数の少ない只見線なので通過時刻のアヤもあってなかなか思うようにいかないかもしれませんが。
さて、レインウェアに身を包んだままクルマに乗って、次なる撮影場所に向かいます。目指したのは細越供橋(通称:眼鏡橋 早戸-水沼間 )。
到着して目当ての列車が到来するまでに少しだけ時間の余裕があったのと、スノーシェッド(冬季に道路を積雪から守るトンネル状建造物)の庇の下で雨を避けて撮影つもりだったので、GF10をレインウェアの下に忍ばせて行って周囲の只見川の様子を少し撮りました。
雨はいっこうに降りやまず山には濃い霧が降りてきています。川の水温と気温の差があるらしくこの季節にはあまり見られない川の霧も湧いていて、山霧と川霧が混じってまさに霧幻/夢幻の世界。
思惑通り庇の下からでも眼鏡橋がなんとか望めるのですが、周りの木々が邪魔になって構図が窮屈です。結局GF10をもう一度懐に仕舞って、道路わきの開けたスペースに出て雨の中で三脚を構えなおしました。
14:39細越供橋 小出行き(左方向)427D
これもDA50-135mm。奥会津の山霧の風情が写し撮れて良き哉、と喜んでいたのですが実はこの写真では大失敗していたことに後から気が付きました。いかに防滴機材とはいえ雨に打たれっぱなしはアレかなとカメラ用のレインカバーを被せていたのですが、これが肝心の撮影時にわずかにフードの先にはみ出して上隅をケラれてしまい、泣く泣く周囲数%分をトリミングしております(恥)。
次の撮影は夏井川橋梁(会津川口-本名間)。会津川口駅から先は洪水災害から復旧して昨年「再開通」した区間で、わたしはドキドキの初訪問です。
金山町の体育施設「神楽館」の駐車場から撮れるらしいと事前にアタリはついてはいましたが、到着してみるとまさにその通り、こんな素晴らしい橋梁風景が無造作に望めます。
15:19夏井川橋梁 会津若松行き(右方向)430D
これはDA16-50mm(これも防滴で心強い)で撮りました。
田植えが終わったばかりの山里を只見線が走ります。雨に打たれる里の風景がしっとりと情感豊かに感じられて、いろいろと不自由で恨めしい雨ですがこの時ばかりは天の恵みに感謝しました。
さて、あまり間を開けず次の列車がやって来るから、すぐ近くの橋梁で撮影連戦行くぞと勢い込んだところだったのですが、事情があってここで列車撮りを一旦切り上げました。この日に行っておきたいもうひとつの場所の制限時間が迫っていることがわかったのです。
その場所というのは、こちら「みお里」。会津中川駅のすぐ近く、道の駅に隣接して建てられた東北電力の施設です。
奥会津の水力発電所建設などの電源開発の歴史や事業の紹介をしている施設で、なかなか見事なものらしいと聞いていて、せっかくだから機会があれば訪ねてみたいと思っていたのでした。
久しぶりに当地に来てみたがあいにく雨に遭遇。こういう日こそ「みお里」日和だろうと考えたわけです。16:30閉館で入場は16:00までということなので、せっかくの見学チャンスを逃さないように、撮影を撤収して向かうことにしました。
「みお里」は期待通り面白かったし少し写真を撮りましたが、これは一連の旅鉄写真の紹介が終わったら別に掲載しますね。
第1日は以上、となるところでしたが、実はあと少しおまけの話があります。
「みお里」に向かって移動していた途中で、水沢橋のあたりで濃い川霧が出ていて印象深かったので、クルマを停めていったん仕舞ったK-3IIIをもう一度取り出して、列車撮影とは関係なく橋の上から1枚撮ったのです。
こちら。
レンズはDA16-50です。風景が色を失って水墨画っぽいなと感じたので、遊びでモノクロで仕上げてみました。見えている橋は只見線の第四只見川橋梁です。肉眼ではもっと白い霧が分厚くて何も見えない感じだったのですが、あまりにあまりかなと思い、現像の段階で山の形や橋梁の姿がいくらか見えるように調整してしまいました。
で、この写真は実は翌日への伏線だったのです。
その話はまた次回。