PENTAX「夏天」風プロファイルの自作

というわけで、さっそくARTを使ってPENTAX「夏天」風の自作プロファイル作りに挑戦しました。うまくいけば、メーカー指定のレンズでなくても「夏天」仕上げができるようになるぞ、と。

「夏天」がカメラのメニュー画面上でどのように表示されるか、リコーさんのサイトにもこのように公開されています。

カラーとしてはBやCではなくGとMが強調される、というのは意外ですね。トーンカーブのイメージが示す通りかなり強めのコントラストをつける、というのは予想通り。シャープネスもかかってパキっとした絵作りになっているようです。

これを念頭に、ARTでの試行錯誤開始です。

■「露出」のタブ:思い切って”トーンカーブ”をいじって目分量で明部を持ち上げ、暗部を落とす。
■「ディテール」のタブ:難しい”シャープニング”の項で、わたしがかろうじて扱える”アンシャープマスク”を選び、画像が荒れにくいように”エッジのみシャープニング”設定した上で、編集効果を拡大して睨みながら半径と適用量を目分量で設定。これでいくぶんエッジがパキっとしたぞ。
■「カラー」のタブ:よく使い方のわかっていない”カラーイコライザ”をいじる。事前情報通りGとMの彩度を上げてみるが、それだけでは思わしい結果が得られない。リコー公式サイトで「夏天」は「青をMに寄せる」「青の明度を落とす」といった独特の色作りをしているらしいという情報も得たのですが、真に受けてわたしが色相をいじるとものすごく気持ち悪い色になって使い物にならないし、青の明度を落とすと確かに少し雰囲気が似てくるのですが、図に乗って大きく落とすとディテールがぼろぼろになっているのに気づき・・・”カラーイコライザ”は右側に見えているこいつです。初心者にはなかなか難物。

「青をマゼンダに寄せる」が諦めきれず”チャネルミキサー”で再び色相をあれこれ触ってみるが、試しに見せてみた人から「白色が濁ってしまっている」と指摘を受けてしまいました。まあ、ホワイトバランスを無理にいじっているのだからそうなるよなあ。

結局、色相も明度も中途半端に触ってだましだまし「夏天風」プロファイルをでっち上げました。オリジナルの「夏天」撮って出しと比べてみましょう。


あれ、これ並べた写真のテイクが違うな(爆)。というドジは広い心でお許しいただくとして(おいおい)、何気に似てる感じになった気がしませんか。空の青の色味と、なんというか色の深さに幾分の差はあるものの、これはオイラなかなか健闘したのではないかと一瞬のぬか喜び。

青空写真だけが「夏天」ではないかも、というわけでもう1点


うーん。似ているといえば似ている。差があるといえば差がある、かなあ。
実は思いっきり拡大すると自作「夏天風」の方は建物の表面のディテールとか破綻寸前になってたりします。

もう1点。


撮影場所でルイヴィトンのイベントが行われていたおかげでちょうど色見本帳のような被写体があって、発色の比較には都合が良い写真です。それだけに「同じ色に再現できていない」ことが良くわかってしまいますね。空の色も広い心でも大目にみれないくらい違う。

特定の条件が揃えばある程度は純正の「夏天」に寄せられるけど、そうでないと違いがはっきりと出てしまう。悲しいかなその「条件」が何かすらまだわからん、というところです。

デジタル写真の現像という作業は、こうしてほんのちょっと入口で真似事をしてみただけで、実に奥が深いということをつくづく感じます。何回も何回も思い知らされてますが、写真の道は遠く険しい。

と言いつつ、雑な性格が幸いして、自分として許せる範囲ではおおむね「夏天風」はこんなもんかな、と割り切れてたりします(笑)。今回はPENTAX指定の対象レンズHD DA15mm limitedで撮りましたが、これでどんなレンズでも夏空どんとこいという気分ですね。

使用機材:K-3III, HD DA15mm

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