モノクロ写真の魅力を考えてみる

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K-70 で、ときどき無性にモノクロで撮りたくなる時があります。同じ題材、同じ構図のカラーの写真と比べて、自分なりに明らかにモノクロの方が「良い」と思える写真も時々あります。

もちろん、写真家の方々のクオリティの高いモノクロ作品には圧倒され、アマチュア作品でも大小のフォトコンテストで入賞される見事なモノクロ写真には、本当に心を打たれることがしばしばあります。

なんなんでしょうかね、これは。

ドのつく初心者なりに、試行錯誤してこんな写真を撮ってみて、最近考えるところがあります。いずれも、いつものK-70とHD PENTAX-DA 16-85mmF3.5-5.6ED DC WR で撮って、デジタルフィルタ「ハードモノクローム」をかけています。

「ブランコ」(Photo by scarecrow60)


「競馬場」(Photo by scarecrow60)


「路地」(Photo by scarecrow60)

なんかね、モノクロ写真は、私の「記憶」を刺激するんですよ。それも、昔のことを思い出すというのとは違って、
「覚えてないことを無理やり思い出したことにする」という感じ。その不安定な感覚がアタマとココロを刺激するような気がする。

覚えていないんだけど、見た事があるような気がする情景。モノクロの絵を見て、色をアタマの中で補う。実際には覚えていないことを「こういう色だったんじゃないか」と脳内で「捏造」する。「捏造」しているんだけど、それを自分では「思い出している」と感じる部分があって、なんか不安定な感じがする。

その不安定さが脳をいい感じに刺激して、心地よい。それが私がモノクロ写真を見て「良い」と感じる正体なんじゃないかと。
マッサージが「イタ気持ちい」感じに似てるかなあ。
だからもちろん、題材に拠ります。この効果は、「見たことがあるような気がする」情景のモノクロ写真、というのが発動条件です。明らかに見たことが無い、自分にとって brand new なものではたぶん発動しません。
ただ、いい歳になったので、たいていのものを「見た事があるような」気持ちになるのは、そんなに難しくない(笑)。

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