京急沿線散歩 横浜〜戸部

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いきなりですが、京急横浜駅・戸部駅間で、車窓から撮った写真です。

この線路わきのコレはいったい何なのか、は後ほど。

さて、京急横浜駅界隈ということなんですが・・・。いまさら、この巨大な横浜駅と巨大な駅周辺繁華街の、どこをどう歩けと言うのよ。
そもそも、こんなメガステーションでうかつにカメラ構えてまごまごしてたら、即刻不審者扱いだよ。公安官さんに取り押さえられて新聞に載っちゃったら、どうしてくれるのよ。

などと内心ぶつぶつ言いつつ、横浜駅までやってきて、内心ぶつぶつ言いつつ、プラットホーム風景とか駅の看板とか改札口風景をパシャパシャっと撮りました。ここまでまだ不審者扱いされてません、大丈夫。今回もPENTAX K-70+HD PENTAX-DA 16-85mmF3.5-5.6ED DC WR での出撃です。

別に誰に撮って来いと命令されているわけでもなく、自分で勝手に思いついて、京急沿線の駅を順番に訪ねて周りを歩いてるだけだから、ぶつぶつ言う筋合いでは無い。それは判っちゃいるんですが、困ったな。

困ったところで湧いてきた、悪知恵。

今回は、今さらの「界隈散歩」をしたくない横浜駅にはさっさとバイバイして、速攻で線路沿いに次の戸部駅まで歩く。途中で写真を適当に撮って、これで一気に2駅分の「界隈散歩」を片づけちゃおう、と思いつきました。
この手で行けば、今日は時間があるから、一挙に日ノ出町、さらにその先まで行けちゃうかも。

さっそく横浜駅の東口へ。

東口は、国道1号線と頭上の首都高を挟んで、向かい側はデパートや空港バスのターミナル、さらにその先はみなとみらいへと道がつづいていますが、今回はそちらには見向きもせず、京急線沿いに内陸側に向けて歩き出します。

写真左端のガードはJR根岸線。私は京急線に沿って右前方へまっすぐ進みます。

しかし、あたりは予想通りバリバリのオフィス街。特に何が見もの、という界隈ではなさそうです。参った、撮るもの無いかも。

そこで! こんなこともあろうかと。珍しく今回は事前にネタを仕入れておいたのです。凄い! 用意周到!(自画自賛)

というわけで、冒頭の写真に戻るわけです。
わかります? 線路わきの小さなプラットフォームみたいなもの。これは何でしょう?

これ、昔ここにあった駅の遺構なんです。
そう思ってあらためて眺めると、「プラットフォーム」と、(塞がれてしまってますが)「2本の柱の間を降りる階段」が見えてくるでしょ?
だめ?

詳しい歴史については、取材してよく調べられているサイトがいくつかあるのでそちらに譲りたいと思いますが、第二次世界大戦前、近隣の平沼商店街の最寄駅として「平沼駅」がここに設置されました。ちなみに平沼商店街はこのように現存しています。

平沼駅は当時としてはなかなかモダンな建築意匠の高架駅だったようです。さっきの「プラットホーム」と「下り階段」を下から見るとこんな感じ。

たしかに「駅」だったころの名残が感じられます。

なんらかの事情で10年あまりで駅の運用が廃止になったあと、戦中にも駅舎自体は残っていました。しかし大戦時の空襲で焼失。焼夷弾で焼かれた街から多くの人たちが高架下に逃げてきたものの、そのまま火と煙に巻かれてここで非業の最期を遂げられたという、戦争の悲惨な歴史が、この平沼駅遺構には刻まれているのだそうです。

鉄製の駅の屋根枠が、戦争の惨禍を保存するという意味で長らくそのまま残されていましたが、平成に入って安全確保のため取り壊されました。現在この高架下の一角は、囲われて資材置き場になっているようです。

合掌。

さて、ここを過ぎると戸部駅まではあと少し。消防署裏の川にかかる橋の上で、まだ残っていた桜の花越しに、平成の平和な時代の京急をパシャ。

ほどなく、戸部駅に到着しました。横浜駅から寄り道せずよそ見せず歩けば、15分かからないくらいの距離だと思います。


島式1面2線の小ぶりなプラットホームです。普通列車しか止まりませんが毎日15000人以上が乗降するそうです。

今日はここからさらに次の駅、日ノ出町を目指しますが、
長くなったのでこのエントリーはいったんここまでにしましょう。

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