構図のお勉強 “Photographer’s eye”

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PENTAXユーザーの先輩・上級者の皆様が作られているブログは数多くありますが、中でも、見事な写真とPENTAXのカメラ・レンズ・撮影術に関する貴重な情報を豊富に公開されている著名ブログが、ペンタックスのカメラ酔夢譚です。
泡沫底辺読者ながら以前から私も愛読し、勉強させていただいてます。

このブログの中で、著者のマスター黒野さんが写真の構図を習得する教科書として強く推奨されている1冊が、

”PHOTOGRAPHER’S EYE -写真の構図とデザインの考え方-” マイケル・フリーマン
です。

いい歳をして、何も知らないでカメラをいじり始めた私に、こうした素晴らしい本を教えていただいて本当に有り難いことです。
実物が示せないと語りにくいので、アマゾンのリンクを貼って表紙写真を紹介しますが、買う時はペンタックスのカメラ酔夢譚からで、よろしく(笑)。
大判でちょっと高額の同書ですが、買って勉強してみました。

読後の感想。うーん、難しい。難しいが面白い。
それに、題材として掲載されている写真がどれも素晴らしい。眺めているだけで「写真ごころ」が刺激されます。

構図について理詰めで語っているかのような体裁で、事実、理路整然とした技法解説的な記述もたくさんあるのですが、一番深いところでは「理屈じゃない。感じろ」と、手を変え、品を変え説いてくれている本のように感じました。

構図は最初から「ある」ものではなく、人間の知覚によって「生まれる」ものだということは、私にもなんとなくわかりました。

人の知覚に重大な影響を与える要素を、いくつかのカテゴリーで例示してくれています。
画像のフレーム、図形的配置、ピント・露出・動感などの撮影効果、明暗と色、意図的表現、などなど。

ただし、良い構図の条件はこういうものだ、というわかりやすい(そして知りたい)単純な「答え」は示してくれません。
「どのような場合でも、『理想的な位置』が存在するわけではありません」と釘をさされます。

なるほど、そういうもんなんだな。

難しかったながらも、私にとって印象的だったことを2つ。

その1
「具体的すぎることの危険性は十分に承知」と前置きしながらも、写真となる構図について著者の「レパートリー」を、10点あまりのシンプルなモデル図と作例で例示してくれています。

もの凄く「役に立つ」「使える」図なので、そのまま丸呑みするというのもアリでしょうが、そうしなくても、自分なりに腑に落ちるこういう「モデル図」を、頭の中にいっぱい持って、自分なりの「レパートリー」化することを薦めてくれているのだ、ということはわかります。

その2
「決定的瞬間」のブレッソンの教え、「いつシャッターを切るべきかは直観でわからなければならない。一度逃したら二度とチャンスはない」を引用した上で、
そのための「準備」として、カメラの扱い、観察、構成上のテクニックへの精通、心理状態の4つが大事だと説いてくれています。

いま、初心者の私は一生懸命カメラの扱いを勉強していますが、観察する力と構成上のテクニック(つまり私なりの「レパートリー」)を磨かないといけないんだな、と。4つめの心理状態は・・・難解だけど、まあそのうちわかるかも。わかるといいな。

とにかく、繰り返し眺めることで、少しづつ心に染み込ませていきたい良書だと思います。

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