写真プリントの話

曲がりなりにもデジタル一眼で写真を撮ることが趣味と公言し、数年にわたって下手の横好き写真ブログを続けていながらですね、これまで、撮った写真はモニターで見るだけで、プリントするということを、ほぼ100%やらずに済ませてきました。

もちろん、写真はプリントで仕上げてはじめて完成だよ、という教えはあちこちで目や耳にしていて、鑑賞という行為に際しては写真を実物として紙に落とすことが避けて通れないステップだと、頭ではいちおう理解できてはいるのです。

しかし、自分で知識を得た上に機材を揃えてプリントするというのは、けっこう心理的・物理的・経済的にハードル高いんですよね。

そこで、ハードルのきわめて低いところから始めてみることにしました。撮った画像データをネットプリントしてみよう、と。「写真を現像に出す」というこの感覚、久しぶりで、なんか新鮮(笑)。

いまやコンビニでも簡単に写真のプリントはできるし、どのプリント業者さんでも良さそうなものですが、最初はやはり安心の大手量販店&フジカラーだろうということで、ビックカメラ ネットプリントサービスを利用してみました。
やることは簡単です。指定のサイトでプリントサイズを選んで紙焼きしたい画像データを何点かアップロードします。今回は2L(m4/3で撮ったものはDSCW)サイズで「ふちなし」仕上げを選択て、あっさり注文完了。

ビックカメラさんではネットプリントで申し込んだ写真は店舗に受取り&支払いに行く必要があります。このプリントは翌日仕上がりですから、仕事のついでに立ち寄ってゲットしてきました。

で、手元にやってきたプリントがこちら。

まあ、変哲もない写真ですが、こうやってプリントしてみて、

まず、良かったこと。

モニターで見ているのとは少し違って、なんというか、神経が集中する感じがする。モニター越しだと「垂れた藍色の布が写っている」としか感じないのに、プリントだと布のたわみ具合やテクスチャー(がどう写っているか)まで気になる。2L判の小さな写真でも合焦部分のシャープさ加減とかボケ具合の良しあしとか隅の画像の流れとか、とにかく細部が物凄く気になる。

プリントという物理的な形になってはじめて「本気で鑑賞する対象になる」ように思います。何より、久しぶりの印画紙の手触りがなんか楽しい。

次に、残念だったこと。自分の写真が下手だという残念は除くとして、

APSCで撮った画像→2L m4/3で撮った画像→DSCW のサイズで「ふちなし」プリントしたが、両サイズともに、上下左右端が何%かカットされてしまう。何をフレームに入れて何を入れないか、良く考えてぎりぎりで構図を作った写真も少なくないので、これは残念。

また、カラー較正したばかりのモニターで映した画像と比べると、今回のプリントの絵は少し暗くて、赤味が強い。露出0.5~1段、色温度500~1000Kくらい違う感じがする。機械的に自動処理した結果だろうけれども、花の色や空の色など、こだわりたいところでこの違いがままならないのは、やや残念。

なんか、遠い記憶がフラッシュバックしてきました。
昔は、現像取次の写真屋さんにフィルムを預ける時に「標準より明るめに現像して」みたいに注文をつければ、ある程度対応してくれたりしたものです。
そういえば取次ではなく自前の機械で短時間で現像する写真屋さんが増えた時代もありました。そんなお店では「〇色を強めに焼いてほしい」みたいな頼み方もしたなあ。私が写真の現像に詳しかったわけではなく、そのころ仕事で色味が大切な商品サンプルの写真を扱うことが多くて、先輩から現像の注文の仕方について結構細かく指導を受けてました。すっかり忘れてたけど。

しかし、今の仕組みではネットプリントでも店頭注文でも「サイズ」と「ふちあり・なし」くらいしか指定できないから、こういうオプションオーダーは難しそうですね。

端のカットを回避したり色調整の自由度を得たりするためには、自前でプリンターを入手して印刷するという方法しかないのでしょうか。「撮影道」だけでも四苦八苦してままならないのに、この上「プリント道」は大変だなあ。

多少の色や構図の違いとか、ちっちゃいことは気にすんな、それワカチコワカチコ!(わからない人は・・・いいです、忘れてください)というイキオイで、プリントは写真屋さんへ、という「道」もあるかも。テーマを設定して写真を選んで「フォトブック」を作ってみるとか、パネルに仕上げるとか、この道の先にもそれなりに面白いことはいくつかありそうです。

とにもかくにも、写真プリントの小さな小さな第一歩です。久しぶりに現物写真を手に取ってみて、いろいろ発見があった&思い出した、というお話でした。

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