RAW→JPG 現像の画質 再考(2)

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あけましておめでとうございます。

数少ない貴重な読者の皆様、今年もよろしくお願いします。
ここ2年くらい、ほぼ2日に1回の記事更新を続けてきたのですが、今年はもう少し力を抜いて、不規則にしてもいいかな、と考えています。勢いに乗って連投する日もあれば、ネタが無くて/忙しくて1週間更新が無いときもある、くらいのいい加減さで無理せず続けて行こうと思っています。

さて、新年早々、タイトルが(2)という新鮮味のない記事で良いのでしょうか。そもそも、こんな話題がお正月にふさわしいのでしょうか。と自問しつつ、ゆるゆると始めます。

昨年末の記事の要旨はこうでした。

・LightroomでRAWファイルをJPGに変換(現像)する過程で、80%とか85%とかに画質を設定すると、カメラのJPG撮って出しと比べて、随分とファイルサイズが小さくなる。これは画質を犠牲にしているからではないだろうか?
・20サンプルで比較してみると、LR85%画質設定で、JPG撮って出しと比べて、RAWからのファイルサイズ縮小率の差は平均で約10ポイント(42%対32%)
・ファイルサイズの差すなわち画質の差とは言えないが、実際の写真を眼で見て、それとわかる差があるのか無いのか、確かめたくなるよね。

ということで、さっそく確かめてみましょう。

まず、今回調べた20点の写真の中で、PENTAX K-70の「JPG撮って出し」と、LR85%画質設定での現像の、ファイルサイズの差が「小さい」代表例Aがこちら。
元のRAWからの縮小率が、撮って出し41.5%、LRで38.5%

一方、ファイルサイズの差が大きい代表例B

撮って出し46.8% LRで26.6%
(代表例A、Bのいずれも、LR現像の方の写真を掲載してます)

ふーん、なるほどね・・・。

といくら眺めていても私には何のひらめきも生まれてきそうもないので、差の大きい代表例Bの方を、さらに仔細に見てみることにします。

JPG撮って出し、LR現像 80%、85%、さらに比較対象のため新たに作った100%のの4枚の写真を、自宅の家庭用ノートPCで等倍拡大で見て、あれこれと比べてみました。

で、どうだったかというと・・・さっぱり違いが判りません。

そんなはずはないと、さらにありえないくらい拡大して比べて見て、ああ、ここに違いがあるかなというところを、やっと2ヶ所見つけました。

代表例Bの写真の真ん中の白っぽいビルの屋上部の構築物(テラス?)部分です。通常の写真鑑賞ではありえない。等倍を越えた500%拡大で切り出しました。上がJPG撮って出し、下がLR85%画質での現像です。


色味の違いは色温度とかが微妙にことなるせいなので目をつぶってください。わかりますかねえ? PCモニター画面を思いっきり拡大して見ていただくと、微かに見て取れる、くらいの違いなのですが、下の絵の方、ビルの屋上の稜線やテラスの屋根材の直線部がわずかに「ケバ立つ」ように波打ってます。上の絵の方には、そのような波打ちが全く無いわけではないですが、ほとんど見られずスムーズです。

同じく、道路上の軽自動車とその周辺。上がJPG撮って出し、下がLR85%画質。


これはさらにわかりにくい。もともと両者でコントラストの強さが異なるのでいっそう比較が難しいですが、軽自動車の側面のドアあたりのを見てください。上のクルマの方が、表面が滑らかでメッキ鋼板らしい質感が再現されているように感じます。
下の絵は、それと比べるとちょっと鈍く、実際には無い不規則なまだら模様が浮いている感じもします。上の絵と比較すると、色味の違いだけでなく、表面の滑らかさが損なわれていると私は思います。実際のこのクルマの見え方が、どちらに近かったかはわかりませんが、2つの写真では、質感の再現の仕方に差があります。

#ひょっとして、この純正の絵作りが、例のPENTAX虎の子の「アクセラレーター」のお仕事? DPReviewがK-1 IIについて酷評したけど、いい仕事してるんじゃないんでしょうかね。知らんけど。

ほとんど違いなんてなくて、「気のせい」というレベルで、実際気のせいかもしれません。

そして、やっと見つけたこれらの違いですら、さらにネタばらしをすれば、LR80%、85%と100%の写真では違いが全くわりません。
元はと言えばこちらの「違い」を見つけ出すのが一連の作業の狙いでしたが。私にはお手上げでわからん、ということで、PENTAX K-70搭載の純正ソフトウェアとLRとの絵作りは少し違うよね、ということが確認できただけに終わりました。

話がやや横道に逸れてしまいますが、PENTAX純正の絵作りはたいしたものだ、ということもあらためて認識しました。

大騒ぎして時間を使ったあげくの、随分しょぼい結論のまとめ。

1)LRが書き出すJPGファイルは、画質80%以上なら、ファイルサイズが少々圧縮されていても画質の低下は(私には)識別できない。
2)だからLRの通常の現像ではデフォルトの80%画質設定でおそらく問題ない。(万一不満ならもう一度RAWから100%で作り直せば済む)
3)ところでPENTAX純正のJPGの絵作りは、少なくともLR100%画質と同等以上の、なかなかたいしたものである。

以上、
新年早々のムダ話に長々とお付き合いいただいて、ありがとうございました。

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