雑誌か何かに載ってた写真展のフレコミを読んで、まず最初にわたしには、あ、これはちと難しいやつだな、と思いました。
それにも関わらず、何点か紹介された作品を見て妙に気になって、心惹かれる感じがしたので、若干の敷居の高さは感じつつも行ってきました。恵比寿の東京都写真美術館。
例によっていろんなイベントが並行開催されてましたが、わたしの目当ては「ルイジ・ギッリ 終わらない風景」展。
作品一点撮りはNGだが複数作品を画角に捉えて展示会風景を撮るなら撮影OK、というレギュレーションだったので、持参したコンデジFUJIFILM XF10で少しだけ会場風景も撮ってきました。
失礼ながら、思いのほかたくさんの来場者が居て、少し驚きました。こういう硬派な写真展がこんなに人気を集めるとは、東京は凄いところです。
そして感想。
情動を強く呼び覚ます写真ではありません。
目に写る近景遠景の中からギッリさんが何らかの意図で題材を選び、淡々と撮影し、淡々と情報として収集し、淡々と並べて見せている。緻密な計算の上で選ばれた題材だな、追い込んだ構図だな、とわたしの素人目でもわかる作品もあるけれども、一見なんでもないスナップに見えるものも多い。
難しい写真芸術論はわかりませんが、各々の作品はけして刺激的ではないのに、全体として静かな強い圧力を感じます。
一点一点の写真が、静かに問いかけてきます。
「この風景、君にはどう見えてるの?」
「次に、これはどう?」
そして反応を観察されているように感じます。
「あ、そう感じるんだ!ふーん。」
「あれ、これは好きじゃないんだね、なるほど。」
誰かが写真を撮り続ける限り、誰かがそれを観続ける限りこのダイアログは果てしなく続く。だから写真展のタイトルが「終わらない風景」なのかな、というのは私の勝手な当て推量です。
たくさん見ているうちに精神的に疲れました。背骨にズシンと堪えました。
判った風な感想を記しましたが、未だに全然わかってないです。でもこの「わからなさ」は面白い「わからなさ」だったので、良かったです。思わずお安くない展示会作品録を買ってしまいました。
会期は9月まで続くそうです。波長が合いそうな方には強くおすすめしたい。


