四十一景 市ヶ谷八幡

歌川広重「名所江戸百景」の四十一景は 市ヶ谷八幡。元の絵はこちらです。

同じように市ヶ谷橋の上から北東に市ヶ谷八幡方向を望むと、現代ではこういう眺めになります。

外堀を渡る市ヶ谷橋は江戸城市ヶ谷御門前の交通の要衝でしたが、現代でも都心交通の要のひとつであることは変わりがありません。写真では防衛省市ヶ谷地区の無線鉄塔が目立ってますが、ビルの陰にならなければその手前に元の絵の題名になった「市ヶ谷八幡」こと市谷亀岡八幡宮が見えたはずです。

参道ではなくお堀端になってしまいましたが一応は桜の花を構図に含めることができてラッキーでした。

さて、市ヶ谷と言えばまずどんな風景が思い浮かぶか。
人によっていろいろでしょうが、わたし的にはまずこれ、市ヶ谷の釣り堀。

この日は盛りとなったソメイヨシノ越しなのでとても華やいで見えますが、普段はいたって地味な、というか不思議な眺めです。昔からあって、市ヶ谷駅のホームからよく見えるので多くの人が一度ならず目にしていると思います。都心に不釣り合いな釣り堀風景として印象的なせいか、映画やTVドラマのロケ地としても数多く使われていますよね。

施設の正式名称は市ヶ谷フィッシュセンターというらしいです。

あと、その隣にこれも昔からある、なぞのツートーンカラーの橋。
これ、外堀を超えて水道管を渡す橋だそうです。写真にも鋼鉄製のパイプラインが写ってますね。

「水道橋」と言えば、と思ってちょっと調べてみました。JR市ヶ谷駅の2つ先に水道橋駅があって確かに外堀(神田川)を渡る水路橋がその名の由来になったそうですが、その橋は現存しないらしいです。なるほど、今や現役の水道橋は水道橋ではなく市ヶ谷にある、という豆知識を得ることができました。

今回の”百景”撮影地

タイトルとURLをコピーしました