歌川広重「名所江戸百景」の五十六景は 駒形堂吾妻橋、元の絵はこちらです。
この絵は摺のバージョンによってかなり違うみたいで、↑の絵だとすっかり夜の景色みたいですが、別の摺だと水平線はかなり明るくて早朝に見えるものもあります。鳥が飛んでるのだから夜ではないはずだよな、昼間撮っても良しということにしよう、ということで、元の景色通り雨の日を選んで行ってきました。
復元されて駒形橋のたもとに建つ駒形堂の屋根越しに、隅田川方向を撮りましたが、広重画伯のような俯瞰の視線の確保はままならず、隅田川も吾妻橋も画角内に捉えることはできず、残念ながら吹き流し(幟?)も無ければ格好良い鳥も飛ばず・・・ということでなんだか冴えない写真になってしまいました。
撮った後の加工で上空を無理やり暗くしたのも、ちょっとやり過ぎでしたか。うまくいかんなあ。
せっかくなので、視野が拓ける川沿いまで出て、吾妻橋方向を撮っておきましょう。
駒形橋のたもとに建つ駒形堂、と書きましたが、オリジナルの浅草寺駒形堂がこの地に建ったのは平安時代の942年だそうですからべらぼうに歴史がある一方、駒形橋の方はずっと新しく1927年(昭和2年)に架かったものです。だからお堂のあるところに後から橋が架けられたというのが正しい。広重画伯の絵に描かれた建物もたぶん何代目かにあたる後継のもので、私が撮ったお堂にいたっては2003年に再建されたものでまだ二十歳そこそこのルーキーです。
せっかくなので駒形橋の方も撮っておきました。
雨の中無理やり撮ったのでレンズに水滴がついてしまった失敗写真ですが、これはこれで風情あるかなと思ったのでそのまま載せておきます。