このところ何処か行って何か観てきました、みたいな記事が多くて、写真ブログなのにちっとも写真撮ってませんね。
正直、酷暑の間に失った気力と体力が、まだ十分に回復していない感じで、なかなかカメラぶら下げて出掛ける気持ちのスイッチが入りにくいというのはありますね。無理しても仕方ないので、だましだまし、加減しながら撮り歩きもブログ連載も自然体で続けていきます。
いいわけはさておき、今回観てきたのは、上野の東京都美術館(都美)で開催されていた田中一村展です。
会期は12月1日まで残っているのですが、こういうのは油断しているとすぐに会期末が来てしまうので、思い立ったら行ける時に行っておくのが吉。平日の午後に身体が空いたのでこれ幸いと都美に向かいました。
画家については、我流で下手な蘊蓄を垂れるよりも、都美の公式サイトのリードコピーの方が100倍素敵なので、ちょっと長いですが引用します。
自らの芸術の探究に生涯を捧げた画家・田中一村(たなか・いっそん/1908-1977)。
本展は、一村の神童と称された幼年期から、終焉の地である奄美大島で描かれた最晩年の作品まで、その全貌をご紹介する大回顧展です。
世俗的な栄達とは無縁な中で、全身全霊をかけて「描くこと」に取り組んだ一村の生涯は、「不屈の情熱の軌跡」といえるものでした。
自然を主題とする澄んだ光にあふれた絵画は、その情熱の結晶であり、静かで落ち着いた雰囲気のなかに、消えることのない、彼の魂の輝きをも宿しているかのようです。
なにせ生涯全作品を対象にとらえる大回顧展なので、質も量もたっぷり。
有名な「アダンの海辺」をはじめ、晩年に奄美に移り住んでからの「魂の輝き」のような諸作にはもちろん惹きつけられますが、少年~青年期の才気ほとばしる南画・山水画の数々、生活の糧として支援者に提供してきた丁寧な肖像画、屏風絵、襖絵などの数々、画壇の評価を得られぬ不遇に負けず独学で研究を重ねる実験作の数々、いずれもこの孤高の天才画家をかたちづくる大切な一部であり、大いなる見所でした。
10月下旬からは展示内容が変わるらしいです。もう1回行くか、どうしようかなあ。