歌川広重「名所江戸百景」の五十三景は 大はりあたけの夕立、元の絵はこちらです。
いよいよ出るものが出ました。名所江戸百景の中でも随一の傑作との誉れ高い名作。ゴッホが模写したことでも知られるこの絵、この景色。現代の景色として再現することはもちろん叶わないのですが、せめて雨の日に撮るという誠意だけは必要だろうということで、雨の中新大橋のたもとまで出掛けて撮ってきました。
ごめんなさい。
ほんと、なんかすみません、もう何と言い訳すればよいか言葉を失います。
「寄せる」ことができないまでも、画角が随分違うのはいかん。もう少し退いて広角で撮るべきで、そういうことすらも現場で気が付かないくらい「こりゃあかん」と動揺してたのでしょう。
ちなみに、現代の新大橋はこんな姿かたちです。
橋の向こうの景色まで撮るにはどうしても、少し高い位置からの俯瞰撮影が必要なのですが、近くのオフィスビルの高層階から撮るか、上空を横切る首都高の路肩から撮るか、どちらも許可なくやると犯罪(首都高は許可もらえる気がしないけど)なので、市井のいちオヤジとしてはいかんともしがたく。うむ。
本作は強い雨足が筋を曳く表現がポイントです。これはもっと強い雨の日を選んで、望遠レンズでかなり退いて離れた位置から、深い被写界深度で対岸の建物を背景にして撮れば、部分的には見せることができたかもしれません。
だだ、そうすると望遠で元の絵のような近景と遠景のバランスに撮るのは難しそうです。うーん。
いずれにしても、今回は「小雨の日に行って撮ったらさっぱり”わや”になってしまいました」の巻。言葉少なにうつむいて引き揚げる道すがら、浜町公園の花を撮って残念な気分を紛らわせましたとさ。