会津・裏磐梯の写真散歩のつづきです。
東北地方に台風が迫っていて、休暇を早めに切り上げて帰京するか、天候が荒れても涼しい裏磐梯での逗留を続けるか判断が悩ましい日でした。
思案を続けつつ、降ったり晴れたり空模様が落ち着かない中で足を運ぶ先はといえばこちらです(写真でも天気雨がわかりますね)。
スポーツ・アパレル小売の雄ゼビオの創業者、諸橋廷蔵氏の蒐集した西洋美術作品(特にダリのコレクションで知られる)を中心に展示する諸橋近代美術館。観光地にしばしばある「ちょっと芸術っぽい施設」とは一線を画す、アートシーンど真ん中の美術館です。
いまこの天気でこれからだんだん悪化するとなると、他に出掛ける先の選択肢も限られます。そんな時に諸橋近代美術館が開館25周年記念で催すガチのマジ「サルバトーレ・ダリ展」はおあつらえ向きの室内知的エンタテイメント。これは観に行かないわけにはいきません。
同じように考える人が多かったのか、午前10時過ぎに到着した時には展示室前はけっこう長い行列ができていました。これはしばらく前にNHKの「日曜美術館」で紹介されてしまったのが響いたかも。
ともあれダリ、キリコ、マグリッド、ミロなどシュルレアリスムの魔人たちの作品を堪能。展示室・展示作品自体の撮影は当然NGなのですが、わずかに撮影OKの箇所があります。
唯一撮影が許された作品がこちら「テトゥアンの大会戦」
たて3m よこ4mの超大作にして超怪作(というかダリは怪作ばかりですが)。何が描かれているか、どんな意味があるか、などの話題について多少の予備知識があったのでそれなりに楽しんで鑑賞できたのですが、帰京後に↓のような情報(=どうやって描いているか)を目にして、こういうことも知っておけばさらに味わい深かったに違いない、とちょっと後悔。
展示美術品を別にして、美術館自体もなかなか見事な造りです。ときどき観光ガイドなどにも紹介されていますが併設カフェから睡蓮の浮かぶ池の眺めもなかなか宜しい。
その水連、今年の暑い気候があっているのか、べらぼうに元気でした。一番上の写真と似た立ち位置から睡蓮メインの構図で撮ってみると
わかりますか?
咲いている花のまわりに、これから咲く蕾なのか、咲いた後で閉じた花なのかわかりませんが、夥しい数の花がついています。
この写真は帰りがけに撮ったのですが、実は朝到着した時には白い花だけでなく赤い花もたくさん開いていたのです。ちょっとタイミングを逸していて撮り損ねましたが、とにかくこんなに元気に花をつける睡蓮はわたしは初めて見ました。
それはさておき、帰京すべきか、当地に居残るべきか・・・(この時、まだ決めかねている)。