十六景 千駄木団子坂花屋敷

歌川広重の「名所江戸百景」の十六景、千駄木団子坂花屋敷。元の絵はこちらです。

これはもう先に言い訳しておくとですね、現代の東京に幸い千駄木という街も団子坂も現存しますが、肝心の花屋敷は影も形もありません。広重の絵が団子坂のどのあたりからどちら方向を眺めた景色か、というのはいくつかの資料の助けでわかっているのですが、現代においてはこういう景色になります。

ほんと、ごめんなさい。

坂の上の御屋敷街は文京区の職住入り混じった中層ビル街に呑まれて影も形もありません。坂の途中にはかつて寺域が広がっていましたが寺院の数も今は数えるほどになっています。例えば上の写真で左手側は当時からここにある世尊院さんの境内。現在の門前は団子坂から少し奥まってこんな様子。

元の版画の手前の水場は、当時のいずれかのお寺さんの庭の池だろうと思われますが、残念ながら痕跡すら見ることはできませんでした。

団子屋さんが軒を連ねていたので団子坂、という名がついたらしいのですが、ぱっと見で団子屋さんはみかけませんでした。かわりにちょっといい感じの飴細工屋さんの看板が目立っていたので1枚。

説明的に過ぎるかもしれませんが、坂道なのだ、という写真も置いておきましょう。

というわけで、たいした写真が撮れず早口で言い訳しつつ次の撮影地に向かうわたしでした。

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