続報 プログラムライン設定と露出補正

PENTAX K-3IIIで「プログラムライン設定」について調べました、という記事を先日書きましたが、その続報です。

おさらいですが、この設定メニューには次の6つの選択肢があります。

AUTO
標準
高速優先
深度優先(深い)
深度優先(浅い)
MTF優先

これらは「プログラムライン上で最初にカメラが選択する絞り・シャッター速度・ISO感度の組み合わせの選び方」だと思っていましたが、どうもその後触っているうちに、それだけじゃなさそうだと気が付きました。

Pモードで露出補正をかけた時に、絞り(F値)、SS、ISO感度の動き方が、この設定次第でどうやら変わります。

実際に、K-3III に HD DA20-40mmをつけて適当に被写体を選んで(自宅の窓越しに筋向いの建物を撮りました。写真は省略ね)、Pモードで露出補正をかけた時に3要素がどう動くか、記録をとってみました。

Normal
補正 絞り シャッター速度(秒) ISO感度
+2 F3.5 1/60 200
+1 F3.5 1/60 100
±0 F3.5 1/100 100
-1 F4 1/200 100
-2 F5 1/250 100
高速優先
補正 絞り シャッター速度(秒) ISO感度
+2 F3.5 1/1000 3200
+1 F3.5 1/1000 1600
±0 F3.5 1/1000 400
-1 F3.5 1/1000 200
-2 F3.5 1/2000 200
深度 深
補正 絞り シャッター速度(秒) ISO感度
+2 F10 1/60 500
+1 F10 1/60 250
±0 F10 1/100 200
-1 F10 1/200 200
-2 F10 1/400 200
深度 浅
補正 絞り シャッター速度(秒) ISO感度
+2 F3.5 1/60 200
+1 F3.5 1/60 100
±0 F3.5 1/100 100
-1 F3.5 1/200 100
-2 F3.5 1/400 100
MTF
補正 絞り シャッター速度(秒) ISO感度
+2 F5 1/60 320
+1 F5 1/80 200
±0 F5 1/160 200
-1 F5 1/320 200
-2 F5 1/640 200

例によってAUTOと標準(Normal)は得られた結果が同じだったので片方だけ掲載しています。記録しているうちに被写体の明るさが変わって各表の間で露出が異なるものがありますから、表同士の比較は無意味です。各表の中での3要素の動きを見てください。

わかったような気になることと、よくわからないことが混在しますが、露出補正レベルを上げ下げする時の挙動について次のようにメモしました。

1 標準(Normal)設定で露出補正すると、F値(絞り)、SS、ISOがそれぞれ動く。動く優先順位の見当は、この情報だけではなんともわからない。他の設定ではあまり積極的に使わないISO100という値を最初からとるのも謎。

2 高速優先設定では、SSを1/1000以上に保ちながら動く。露出を+補正すると(F値が下がる余地が無いので)ISO感度が上がっていく。露出をマイナス補正するとF値が上がるのではなくまずISO感度が200まで下がり、次に今度こそF値が上がるかと思うと違って、SSがさらに高速になるという不思議な動き方をする。

3 深度優先設定では、「深」でも「浅」でも同様に、スタート時のF値を保ちながら動く。露出を+補正するとまずSSが下がり、限度まで下がると次にISO感度が上がる。露出を-補正するとSSが上がる。今回試した範囲では-補正の局面でISO感度は動かなかった。

4 MTF優先では、最初にセットされた最適F値を保ちながら動く。SSとISO感度の動き方の順番は深度優先と同様。

ここから、このカメラのプログラムラインでの露出の動き方の「原則」について、私はこういう仮説を考えました(大げさか)。

「〇〇優先」を設定すると、露出補正の時にカメラは最初に設定した〇〇の値をできるだけキープしようと頑張る。

■深度(=絞り・F値)キープのときはISOよりもSSが先に動く傾向があり、高速シャッター(=SS)キープのときはF値よりもISOが先に動く傾向がある

もっといろんな条件で試さないと、これらの仮説が正しいのかどうかはわかりません。今後もひきつづき研究課題としたいと思います。また、制約が少なくて3要素とも動く余地がある場合にどういう優先順位で動くかは、依然としてよくわかっていません。

・・・このくらいのことは、多くの写真愛好家の皆さんは先刻ご承知でいわば常識なのかもしれませんが、永世ビギナーのわたしには貴重な学習の機会でした。しっかり頭に入れてカメラを使っていこうと思います。

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