間違いだらけのレンズ選び 2023

生意気なタイトルは、わたしが唱えているわけではなくて、モーターマガジン社の雑誌(ムック本)からの拝借です。

こちらですね。

月刊カメラマン誌は残念ながら2020年に休刊になりましたが、その後、”カメラマン リターンズ”と題してこうしたムック本を年に何冊か継続的に発売してくれています。今号のようなカメラ選び、レンズ選びの特集号は毎年のように発刊されていて、要はこの手のテーマはカメラ・レンズ沼に嵌って新製品情報に飢えた消費者層を相手に底固く売れるということなのでしょう。

わたしはもともとPENTAX使いなので、カメラもレンズも新製品には縁遠くて(笑)、これまではこの「底固い」需要の中に入っていませんでした。しかし、最近はLUMIX機を併用するようになり、魔が差してフルサイズまで手に入れてしまったので、Lマウントのレンズ情勢をいろいろ学ぼうかということで、久しぶりに購入してみることにしました。

だって、シグマのiシリーズ単焦点とか、わらわらと増えていつの間にか9製品もある(既に90mm F2.8は入手済みで)んですよ。ちゃんと情報収集しないと、わけがわからなくなるじゃないですか。(起)

I series The Stage is Set. | レンズ | SIGMA | 株式会社シグマ グローバルサイト

ムックを読んで公式サイトを観て知恵がついてくると、contemporaryラインのiシリーズだけじゃなく、せっかくだからartラインも観ておこうといろいろ目移りが始まります。シグマのartラインは誌上の座談会でも激賞されるものが多く侮れません。

目下探したいのは、純正ズーム20-60mmの広角端20mmよりもさらに短い焦点距離の超広角レンズです。Iシリーズの17mm F4は当然気になりますが、さらに広い画角が欲しいので14-24mm F2.8 DG DN art がなんとも魅力的です。

しかしartはやはり重いしデカいし高いなあと心が揺れ、パナソニック純正の方も最近レンズが増えてるみたいだから、一応おさらいしておくかと。(承)

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純正のProレンズはとても高価で手が出せませんが、Sレンズならいくらか現実味があるかも。S18mm F1.8はカメラマン誌では「実用本位で面白味は無いがよく写る」という評価で、軽いし安いし文句がつけにくいレンズですが、SIGMA17mmよりもさらに1mm分画角が狭くてさすがに触手が伸びません。

一方、広角ズームS14-28mm F4-5.6はどうでしょう。SIGMAのartと比べてしまうと暗くてアレですが、その分軽くて小さくて14mmまでカバーしている”実用本位”組のレンズです。誌上でも”割り切った設計”を肯定的に評価する意見が大勢。同じタイプのS20-60mmとのペアで使うのは悪くない選択なのかもしれません。

何か気分が盛り上がってきちゃったぞ。これ、いったい市場でいくらなんだろう。え、8月いっぱいキャッシュバックやってるの?(転)

で、前回の記事に至ります。
LUMIX S 14-28mm が来ちゃった話(結)

やられました。こうしてまんまと乗せられた起承転結の衝動買いが、わたしのS14-28以外にもたくさん誘発されていることでしょう。だから「間違いだらけのレンズ選び」のような企画本には各メーカーからの広告宣伝費が集まりやすくて続刊になる、そういうカラクリだったとは!

という顛末で予定外の買い物ではありますが不本意ではない。出費はそりゃ痛いですが、考えてみると、雑誌読んで、欲しくなって、調べて、買う、という一連の行動がなんか久しぶりで楽しかった。

今更ながら、こういう困ったレンズ沼症状の哀歓もこの趣味の醍醐味のうち、と考えたほうがよいのかもしれません。

そしてこれもいつも通りの繰り言ですが、道具が揃ってこれで撮影のウデの方がついてくれば言うことないんですけど。

ところで今回のレンズ勉強で学んだ重要事項の備忘録。
シグマのiシリーズやパナの12-60や14-28など最近のミラーレス用レンズでは、小型軽量化するために、収差の補正の一部をボディ側に任せてしまうという”割り切った設計”のレンズが増えている。

こういう設計の場合、同じレンズでもボディによって写りは大きく変わるし、シグマのようなレンズメーカーの製品のイメージクオリティはボディメーカーとどのくらい技術情報を共有できているかという協業連携の程度に大きく依存する。

そして、もし将来レンズだけが残って連携するボディが失われてしまったら、もう同じ写真は再現できない。昔のレンズを新しいカメラに付けて遊ぶいわゆる「オールドレンズ遊び」はだんだん難しくなっていくだろう。

ということだそうです。うーむ。

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