2週間ほど前の記事で前振りしましたが、奥会津撮影行の途中で福島県大沼郡金山町にあるこの施設を見学する機会があって、なかなか楽しかったぞ、というお話です。
公式サイトへのリンクと全景写真を、いちおう再掲。
公式サイトからの引用によれば、こういう施設なのだそうです。
”奥会津地域は大規模な電源開発が行われ、戦後の復興期を電力供給で支えました。「みお里」はそうした水力発電の特徴や歴史的意義、奥会津地域のさまざまな魅力をアートや映像など工夫をこらした展示で紹介しています”
最近の記事でも紹介したように、この地域には田子倉ダムなどの巨大な水力発電拠点があります。「みお里」オーナーの東北電力さんは随分とマイルドな表現をされてますが、いろんな情報をつなぎ合わせたわたしの理解では、昭和の昔にこれらが造られる過程は、奥会津地方を産業資本の投下で潤した反面、集落ごとダム湖の底に沈めたりして随分犠牲も強いてきたはずです。この地域にとって電源開発は光も影も濃い存在なのだろうな、と。事業主体であった電力会社さんがここにこうして歴史保存と観光PRのための拠点を置くことは、地域振興/融和の対策としてある種の必然なんだろうなあ、と。
などとオヤジらしい小理屈を捏ねるのはこれくらいにして、単純に綺麗で見ごたえあって楽しかったですよ「みお里」。
この日は暗い曇天だったので光量は限定的でしたが、見事なステンドグラス作品「奥会津賛歌」臼井定一作。ひと目見てメインモチーフが只見川とダムだとわかります。
会津の電源開発を猛プッシュした頃の東北電力の初代会長は、あの白洲次郎さん。わたしは神戸出身のこの方とは多少の地縁を感じるので、この「白洲次郎関連展示」にはかなり食いついてしまいました。
白洲次郎・正子夫妻の生涯に詳くて、かつ(わたしとは逆に)神戸ではなく会津に縁がある知人が居るのでこの「みお里」の情報を少し紹介したら、「そこで会津と白洲次郎が繋がる!?」と感心してました。
「みお里」の建物は、あの隈研吾さんの設計によるものだそうです。木材を印象的に用いている天井・内装を見ると、たしかに隈研吾っぽいなあ、と。
【2023/8/13訂正】
みお里の設計者は隈さんではありません。間違った情報を記載したことをお詫びいたします。
大きく開いた窓の前はウッディな休憩コーナーになっていて、ここでゆったりと只見川の景色を眺めて休むのも確かに悪くなさそう。
この日はお天気があいにくのアレでしたけど、晴れてれば、さぞ。
地域に因んだアート作品のギャラリーとか、片岡鶴太郎さん作の絵画による奥会津名産品の紹介コーナーとかあって楽しめるのですが、これらは撮影NGなのでこの記事では割愛。
わたしが一番楽しんだのは、こういう(どちらかというと子供向けの)科学啓蒙展示。
右下のハンドルを回すと、水力発電説明板のLEDが順番に点灯して輝くのです。こういうの、子供のころはものすごく熱を入れて回しませんでしたか?
↑の写真で綺麗に点灯しているのは、誰も見てないのを幸い、わたしが必死に回したおかげなんですよ(笑)。
ゆったりと見学して小一時間楽しめて休憩にもなって、しかも入場無料!
ということで「みお里」はもっと知られて賑わってよい場所なのではないかと思い、紹介させていただきました。