久しぶりにストリート写真でLUMIX G99を持ち出したので、ついでに、久しぶりに写真を L.モノクローム仕上げにしてみました。
オトナの事情であまり公然と語られないみたいだけど、L.モノクロームの L は Leica の L ですよね。ライカのモノクロを、パナソニックがLUMIXのカメラとレンズで再現したくて、ライカ的には、大事な提携先だし L などと思わせぶりなネーミングもまあ黙認しようというアレですよね。
実際のところ、この仕上がりはどうでしょう?
わたしはライカユーザーだったこともライカで撮った写真の熱心な鑑賞者だったことも無いので、これらの写真がライカのモノクロ写真にちゃんと近似できているのかどうか判断する能力がまるで無いのですが、「暗部がしっかり黒くコントラストがやや強い」「でも黒つぶれはしない」「絵のキメが細かい」という特徴は感じます。
ぼんやりしたもの言いですが「雰囲気のあるモノクロ」が出来上がるなあ、と。
この写真なんか、
わたし、有楽町駅近くのこの古いビルの外壁の青っぽい暗色のタイルの輝きと丸みを帯びた銀色の窓枠の意匠が大好きで、撮った時はこの写真は当然カラー仕上げ、と思っていたのです。しかし、こうやってL.モノクロームで仕上げてみると、いやこれ、このビルの歴史がいい感じに香ってるな、モノクロありだな、と宗旨替えしてしまいました。
この一保堂さんの写真は、看板の白が強調されすぎてバランスが悪いですね。
コントラストが強調できれば良い、というものでもないみたい。題材は選ばんとね。
そろそろカミングアウトしておかないとまずいでしょうが、ライカに似てるとか似てないとか言う以前にこれらの写真、L.モノクローム仕上げというのは嘘です。すみません。
カメラ搭載のパナ純正L.モノクロームモードを使っておらず、RAWで撮って、Adobeの提供している L.モノクローム風の”L Monochrome.dcp”プロファイルを使ってARTで現像したものです。結構似た仕上がりにはなりますが、別のものです。
だから、ライカもどきのL.モノクロームもどきという「二重もどき」です。しかしなかなか捨てがたい良い感じになるなあと、これは嘘でなくそう思っています。都市風景のスナップでは、特に。
「良い感じ」の説明は難しいですね。写真鑑賞力も語彙力もダメダメなわたしが語るのがそもそも百年は早い。でも敢えて独りよがりに語ってみます
「干物になって、生魚の時とは違う美味しさが出る感じ」
「写真から直接入ってくる情報量が減って、それを脳で補って見る。キメが細かいので質感が良く伝わる分、余計に想像力が刺激される感じ」
「現実の風景であるという感覚が乏しくなって、時間的にも空間的にも現実と切り離された、少しデフォルメされ抽象化された感じ」
うーん、やっぱり上手く語れてないなあ。下手な能書きはさておき、L Monochrome はなかなか気に入っている、ということだけ小声で申し上げておきます。
最後の1枚。
最後まで見ていただいて、ありがとうございました。
撮影機材:LUMIX G99, Leica DG12-60