大井川 にわか鉄旅(1)

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たまたま機会に恵まれて、大井川鐡道の沿線を日帰り観光してきました。南アルプスから流れ落ちて太平洋に注ぐ日本有数のスケールの一級河川・大井川の川沿いに、山間の井川(いかわ)駅から平野部の金谷(かなや)駅まで総延長65kmほどの路線で営業している私鉄が大井川鐡道です。

この小さな鉄道会社は蒸気機関車(SL)の営業運転をおこなっていることで有名で、それほど「鉄」成分の多くないわたしでもその名を知っていました。そして今回僅か1日でしたが初めて訪ねて、この路線の魅力がSLだけではないことがよくわかりました。

朝8時台、金谷駅です。JR東海道本線との乗り換え駅になっていて、ここから今回のわたしの「にわか鉄旅」がスタートします。

「きかんしゃトーマス」がいますね。不定期に「トーマス号」というSLを運転していて、家族連れに根強い人気があるのだそうです。

中はこんな風です。

駅舎の造りは中も外もいたって実用本位で素朴。大井川鐡道(略称は大鐡)の本拠地は車庫を備えた一つ先の「新金谷駅」で、SLの運転も新金谷が始発。この金谷駅はJRとの重要な接続駅ではありますが、大鐡的には「つけたし」の駅なんでしょうね。私のホームグラウンドで言えば京急線の泉岳寺みたいなものかな。
ここで電車・路線バス乗り放題の「大井川周遊きっぷ」(2日間有効:4900円)を買って出発しました。

金谷から大井川本線で終点の千頭(せんず)をひとまず目指します。少し待っていると 8:59発の列車が到着。

もともとは南海電鉄で使用されていた車両を使っているそうです。そういえばこのグリーンは南海の色。この日私が見た大井川本線の車両は(SLを除けば)この色の旧南海車両ばかりでした。

乗り込むと2両編成の車両の中はこんな風景。オフシーズンだけあって空いています。というか、空いていて「三密」の危険が少ないと見込んだからこそ、私もこのご時世に遊びに来ているわけですが。

ワンマン運転で、たくさんある無人駅では先頭の扉だけが開閉し、運転士が降車客の集札係を兼ねます。

川を遡るにつれて途中の街並みや駅舎がどんどん「懐かしい」感じになっていきます。
昭和の駅舎が美しく保存されている田野口駅で降りてみましょう。

無人駅ですが、この古い駅舎は週末に開館する資料室を併設していて実に丁寧に手入れされています。観光用だけでなく映画のロケなどにしばしば貸し出されているそうです。やるな、大鐵。

千頭行きの列車がやってきました。駅舎ほどではないですが、ホーム周りの風景もノスタルジックです。

※千頭に行くまでに田野口で途中下車した態で写真を並べてますが、実際はいったん北上して山間部に行った後で田野口まで南下してサッと写真を撮り、13分後にやってくる上の写真の北行列車で再び(午後発のSLを撮るために)千頭に引き返してます。なにせ運行本数が少なく一度降車すると「次の列車」は2時間近く待たないとやってきませんから、自家用車抜きで純粋に電車と路線バスだけで動く場合には、時刻表と周遊きっぷを駆使して無駄のない動き方をしっかり計画する必要があります。

金谷から各駅停車にだいたい1時間15分ほど乗ると、大井川本線の終点、千頭に到着します。
電化区間はここまで。ここから先は非電化区間(一部除く)の井川線に乗り換えです。

ここで本日最大の誤算が発覚。

これから人里離れた山間部に向かうので、ここでお昼ごはんを調達していこうと思っていたのですが、千頭駅の売店に「お弁当・おにぎり・パン」の類が無い! 売り切れではなく、この日そもそも取り扱って無い。
シーズンオフの旅にはこんな落とし穴もあるのですね。

仕方なく、駅売店にあったドーナツ(親指ほどの大きさの数個入り)とお茶のペットボトルを買って発車時刻が迫った井川線に急ぎます。この先これで大丈夫か?

というところで、このつづきは次回。
なお、今回の写真はすべてPanasonic LUMIX GX7mk2と Leica DG 12-60mmで撮っています。

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