年々歳々 桜2020

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年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず

私の鈍いアタマの片隅に残っているくらいだから、たぶん教科書に載っているくらいの有名な詩なのでしょう。唐代の詩人、劉廷芝の「代悲白頭翁」の一節です。

花は年ごとに変わることなく咲くが、人の境遇は年ごとに変化していく。自然が変わらないのに対して、人の世ははかなく移りやすいことのたとえ(ことわざ辞典ONLINEによる)

今年も同じように花は咲きましたが、殊のほか人同じからず。世界を悩ますアレのおかげで、とりわけ強く無常を感じる2020年であることよ(詠嘆)。
元の漢詩は桃の花を詠んでいるようですが、こちとらの似合わぬ詠嘆は桜が題材でございます。

人が集まる、いわゆる桜名所へ出かけるのを自重し、日ごろの仕事/暮らしのリズムの中で愛でることができる、なじみの桜をPENTAX KPで撮ってきました。常なる景色の中にもなぜか無常を感じることよ(詠嘆 しつこい)。

上の写真は広角レンズ SIGMA10-20mm。このレンズをまだうまく使えない私にしては、まずまず自己満足できる写真が撮れました。広角難しいなあ、という話は次回。

で、今回主役のレンズは、このところちょっと出番が減っていた標準ズームDA16-85mmです。一番使いやすいはずなのに、なぜか仕上げてみるといまいち、という結果になることが少なくないのですが(要するに下手なのか 苦笑)、この日はいい感じの切れ味・ボケ味で撮れてくれて、うれしい。

結構風があったので、撮ってる最中はけっこう大変で、詠嘆とかいろいろカマしているしている余裕は実のところあまり無かったりする。

この1枚あたりが、自分的にはささやかに「無常」な感じかなあ。
どの辺が、と問われても困りますが、ごく私的なフィーリングとして。

大量に咲き誇る桜名所ならば、遠景でワイドにさくら色に霞ませるとか、桜並木を望遠レンズで惹き付けてボリュームでどーん、みたいな撮り方も考えるんでしょうが、今回はそうはいきません。何本かの馴染みの桜をどう撮るか、あれこれ(強風の中で)考えながら歩きました。そういう写真散歩も、また良し。

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