東京に住んでけっこう長くなりますが、行ったことのない名所・名園というのがちょくちょくあってですね。今回そのひとつをクリア?してきました。
堀切菖蒲園。京成電鉄の堀切菖蒲園駅から徒歩数分のところにある葛飾区立の庭園です。

わたしが訪れたのは6月初旬でした。園内は例えばこんな風景でまさに花盛り。
にわか勉強したところによると、花菖蒲(ただの”菖蒲”と、わたしたちがこの季節に花を愛でる”花菖蒲”はきっぱりと違う植物らしいので要注意)は、同じ所に生育し続けることを嫌う植物なのだそうです。だから花を咲かせ続けるためには何年かおきに株分け・植え替えという手間がかかる。堀切菖蒲園はそれほど大きな園地ではないのですが、その中で場所を分けて株を分けて手間を惜しまずかけて、多種多様な花を見事に咲かせてくれています。
久しぶりにLUMIX G99とパナライカの3本のレンズを持ちだして、花菖蒲撮りに励んできました。
結論を言えば、この花を撮るのはなかなか難しかったです。わたしなんざ10年早いよって感じがしました。
難しいと、わたしが感じる理由は主に2つです。
1)大きくて複雑な形の花なのだが、理想的に綺麗な形で整った花がなかなか見つからない。運よく見つけても距離が遠い、隣に様子の良くない株があって写り込んでしまう、風ですぐに形が崩れる・・・。
2)花の色が実に微妙で、青紫色とひとくくりにするにはあまりに多様なバリエーションがある。カメラのモニターで見るとどう見ても実際の色を再現できているように思えないし、後から調整しようと思っても曖昧模糊とした記憶が頼りなので実に心許ない。
ここに紹介している花も、どれもみな美しいですが理想の「あの形」とは程遠いし、ほんとにこんな色だったか?と問われると・・・ごにょごにょ。
こういうきっぱりとした色の株は、わりと自分の記憶の中の色と対照しやすいのですが、
なにせ園内に植えられている花菖蒲は色・柄・形のバリエーションが豊かで、微妙な色合いの花が多いのです。
蓮の花と絡めて花菖蒲が撮れる小さな池があるのですが、今年の気温が高いからなのか、藻が繁茂しすぎてちょっとアレな感じでした。
↑の写真の右側の花とか、記憶色が曖昧で再現・調整ができない最たるもの。なんかもう少し淡い赤味がかった感じだったような、いやこのくらいだったような・・・難しいです。
さて、
この園の花菖蒲は江戸古花と呼ばれるものを中心に、希少なものを含めておよそ200品種、それぞれにとても由緒ある詩的な名前がついているのですが、無精者なのでいちいちメモしたり覚えたりしてきませんでした。
これだけの種類の花をランダムに(見えるように)植えて長年管理しつづけるご苦労については、こちらのサイトに詳しいです。

これだけ多様な花のシャワーを浴びて、わたしはと言えば、色の再現がわかりやすいからという理由だけでは必ずしもないですが、白い花菖蒲って無垢で清潔な感じがして好きだな、と思いました。ミーハーでしょうか。
堀切菖蒲園の界隈を散歩して撮り歩いたりすればもう少し話の膨らませようがあったかもしれませんが、なんか、執拗に花だけを撮って並べた記事になってしまいました。
というわけで、現場からは以上です。