はじめてのおさんぽ 谷中界隈

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東京暮らしが結構長い私ですが、山手線の内側でまだ歩いたことの無い街、というのはそれなりにあるものです。

文京区と台東区を跨るあたり、谷中・根津・千駄木、俗に「谷根千」と称される界隈もそのひとつ。事実はどうだか知りませんが、勝手なイメージで雑誌「PEN」や「おとなの週末」に登場頻度が多そうな(笑)、オールド東京の街並みを愛する人たちから熱い支持を集めているこちら。別に敬遠していたわけでは無いですが、なぜか今まで縁がありませんでした。

今回、ちょっとした用事で、知人と地下鉄千代田線の千駄木駅で待ち合わせをすることになったので、週末の昼に初めて出向きました。

地図で見当をつけて、地下鉄に乗るよりも、山手線の日暮里駅から谷中銀座を歩いて行くのが楽しそうだ、というわけで、とりあえずここを目指しました。

谷根千を紹介するタウン記事にかなり高い確率で登場するこのスポット、「夕焼けだんだん」と名付けられた緩い階段から1枚。

典型的なタウンガイド写真なら、いい感じの家族連れや年配のカップルなどを近景に配して、腰を落として夕景の紅い空をしっかりバックに入れ、谷中銀座の看板を小さくなりすぎないようにフレームに入れるでしょう。

今回はPENTAX KPと標準ズームDA 20-40mm limitedでのスナップですが、少し退いて望遠レンズで背景を引き寄せて狙うのが「正解」かも。

有名撮影地で”よくある写真”を撮る試行錯誤は、私にとっては勉強になることが多いので、この場所で粘ってみても良かったのですが、いかんせんこの日は残暑が強烈。一刻も早く空調の効いたコンビニに駆け込みたい心境だったので、数ショット雑に撮っただけでここからはスゴスゴと退散しました。捲土重来。

そもそも、散歩のスタートは日暮里駅。北口改札を出た跨線橋の上からは、なんとJR山手線、京浜東北線、新幹線、宇都宮線・高崎線、常磐線、さらに京成本線まで1枚の写真に収められるという、鉄道好きには嬉しい豪華な眺めです。

この日のわずかな時間でフレームに捉えられたのは、左端の山手線と新幹線のみでした。残りの空いた線路は「余韻」ということで(笑)。朝夕の列車ダイヤが密な時間帯で粘れば、ひょっとして奇跡の「全線路に列車」のチャンスがあるか?

通りには日傘片手の女性がたくさん、谷中方面に歩いていました。霊園にお参りという感じではないので、どこかこの付近の名店を目当てに散歩、なのかなあ。

商店街の手前、たぶん有名な地元の御煎餅屋さんだと思います。暖簾にただならぬオーラを感じました。

これも谷中銀座の手前に見かけたお寺さん、門から中の「奥行き」がいい感じで堪りません。

谷中銀座の真ん中から「夕焼けだんだん」を振り返りました。週末は観光客でごった返しています。昔ながらの商店街ですが、横浜中華街や京都寺町通りと同様、若い観光客や外国人客を意識したフードショップ、アクセサリーショップも点在。この日この時間帯の外国人比率は30%くらいと見受けました。

商店街には味のあるお店がたくさんあるのですが、それはさておき通りを歩いていると、辻々から覗く路地がなんとも魅力的。つい角を曲がって路地裏に入り込みたくなります。下の写真の小さな生垣はほんの序の口で、ほうぼうに素敵な被写体が溢れていそうです。

しかし、ここでさらに寄り道していると、知人との待合わせに遅れてしまいそうです。今回はこのくらいにして、カメラを仕舞って急ぐことにしました。

谷中のほんの入り口を20分ほど歩いただけですが、噂通り、けっこう楽しめそうな街のようです。谷根千、涼しくなったら必ず戻ってくるからな。
待ってろよ。

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