沖縄(1)冬の今帰仁ブルー

ちょっと前になりますが、十数年ぶりに沖縄本島に行ってきた時の写真が整理できました。

昔は幾度となく通ったお気に入りの休暇先でしたが、いつの間にか足が遠のいてましたね。十年以上の時を隔てれば、沖縄のいろんな事情も訪れるわたしの方の事情も様変わりしているわけですが、美しい自然とのんびりした南国の空気の魅力は少しも褪せることなく、旅するおじさんの心をおおいに慰めてくれました。

わたしの方が昔といちばん変わったのは、数年前からカメラおやじと化していることです。
LUMIX G99といくつかのレンズを抱えて行って、数日の滞在を通じて一番のお気に入り写真はこちら、北部・今帰仁(なきじん)村の長浜ビーチです。

手つかずの天然ビーチの波打ち際に魚眼レンズLUMIX G FISHEYE 8mm で寄って撮ったら、なんとも明るく楽しげな写真になりました。

それにしても「今帰仁ブルー」の美しさ、驚くべし。

オフシーズンの冴えない曇天の一瞬の晴れ間に弱々しい陽光の下で撮って、この空と海の青さです。RawTherapeeでRAW現像する際にLUMIXのフォトスタイル「風景」相当のプロファイルを使って少し中間階調を持ち上げただけです。それ以上にとくに彩度を盛ったり色相をいじったりしていません。強烈な夏の陽射しともなれば、どれほどの光景になることか。

今帰仁ブルー推しでもう1枚。魚眼じゃなくLeica DG 12-60mmで普通に撮っても、普通以上に美しいです。

ところで、海の青さに偽りは無いのですが、上の2枚の写真ではビーチの中のあるものが目立たないように敢えて構図を考えて撮っています。実は波打ち際から少し退いてビーチを広く写すと、こんなありさまになっていたのでした。

白砂の上に黒く広がっているのは、いま沖縄をはじめ日本中の海岸線にやってきていてしばしば報道されている「軽石」です。長浜ビーチにも少なからぬ量が漂着していました。

部外者のいちツーリストの感想ですが、たしかにこの勢いで大小の軽石があらゆる海岸線にやってきたら、防ぎようも守りようもないだろうな、海で仕事をする人にとっては大問題だな、と思います。

ただ、常ならぬ邪魔者とはいえ火山性の天然物です。悠久の時の流れ自然の営みの中で、たまさかこういう景観が生じることだってあり得るよなと、理屈でなく直感する部分もあるのです。だから、程度問題なのかもしれませんが「白砂のビーチが汚れてしまって台無し」とは感じませんでした(個人の意見です)。ともかくも、何とも不思議な光景ではあります。

長浜ビーチを後にして、せっかくここまで来たのだからということで、もう少しだけ北上して古宇利大橋まで足を伸ばしました。
またしても海の青さに絶句。

ちなみに大橋の向こうの古宇利島も行政区上は今帰仁村。これも別に海・空の色を盛ったりはしていませんが、PLフィルターが良く効く光線の角度だったのが多少の加勢にはなっているとは思います。

今帰仁ブルー写真の締めくくりに(笑)、古宇利大橋のたもと(屋我地島側)の海岸でもう一枚。

この時期、本島中でススキが穂を出して揺れていて最盛期という感じでした。この写真ではわりと控えめに構図に入れましたが、あちこちの道端で物凄いボリュームで群生している姿は控えめどころではありません。ススキに似ているが別の熱帯性の凶暴な植物なのではないか、と疑うくらい(笑)。

というわけで、今回はすっかり今帰仁編になってしまいましたが、あと何回か沖縄の写真と駄文を載せてみることします。

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