というタイトルでは、何のことかなかなか判らんでしょう。
最初に種明かししてしまいましょう。これのことです。
扇子の要。オウギのカナメというやつですね。10年ほど前に京都の扇子屋さんで買い求めて専ら普段使いしてきたものですが、今年になってカナメの軸が折れてしまって困っていたのです。もちろんそれほど上等のものではないのですが、カナメ以外はまだ大丈夫みたいだし愛着もあるので、なんとか修理できないかな、と。
上の写真は「修理完了後」のものですが、今回はその顛末をひとくさり。
東京はさすがに何でもありますね。ネットで探したら、こちらのお店が見つかりました。
浅草橋の松根屋さん。とても暑い日だったのですが、意を決してお訪ねしてきました。JRの浅草橋駅を降りて、今年の強烈な日差しの下で問屋街を歩き出すと、早くも汗が噴き出てきます。
幸い、さほど駅から遠くないところで行き倒れる前にお店を発見。
さすが創業100年の専門店で、店内はなかなかの壮観です。
店の奥で、小上がりに腰を半分かけた年配のお店の方(ホームページの情報から拝察するに、先代のご店主)が忙しそうに品物を整理の最中。
直ぐ近くまで歩み寄ったところで、ようやくわたしに気が付いて目を上げてくれたので「この扇子、カナメを直していただけますか?」と件の扇子を差し出したところ、
手に取って5秒くらい確かめて、ぼそっと。
「15分くらい。で、黒?白?」
おお、手を動かすのに忙しくて余分な口をきく暇はねえんだなこの人。今どきなかなかお目にかかれない、まさに”職人気質”を体現するこの受け答え。「黒でお願いします。後で取りに来ます」と伝えると、先代ご店主は軽くうなづいて、もう目線を上げることは無くご自分の作業のつづきに戻っていったのでした。
落語の世界だ、このお店ヤバい。ちょっと感動しました。
小一時間たって品物を取りに再訪した時には、当代のご主人とお客さんが何やら難しい商談の最中でしたが、「あの、カナメの修理をお願いして・・・」と切り出すと、ご主人はさきほどの先代(?)とはうってかわって現代的な愛想のよい接客をしていただいて、無事にカナメのお直し完了と相成ったのであります。
というわけで、500円のお直しで、とても面白い体験ができて、ブログのネタの写真も撮ってこれました。善哉善哉。


