数年前から気になっていた鎌倉のあじさい寺こと明月院を、ようやく訪ねることができました。持参した機材はLUMIX G9proII とLeica DG12-60mm。

もともと平安時代にこの地に開かれた後、寺の名や後見者を代えながらを変えながら代替わりし、鎌倉期に北条氏の庇護を受けて以降は長らく禅興寺の塔頭(禅宗寺院の境内・周辺に設けられた子院)となっていました。明治になって本院が廃寺となり、子院だけが残ったのが今の明月院だそうです。
何時ごろからか、小さなお寺が「あじさい寺」として人気を集めるようになり、古都鎌倉にあまたある”花の寺”の先駆けとも言われています。東京駅から50分ほどで到達できる、JR北鎌倉駅にほど近い至極便利な場所ということもあって、ハイシーズンには大変にぎわうという噂は聞いておりました。
だから、梅雨の止み間の週末さぞや混雑するだろうと覚悟の上で出かけたので、総門前のこの行列には驚きません。
ええ、驚きはしません・・・でしたが・・・。
細い境内の道にキャパを超えた行楽客が押しかけているので、行列の歩みが遅々として進まないのは少々計算外。
とはいえ、人の数に負けないくらい花の数はあるし、進みが遅い分、沿道の花をゆっくり吟味して撮れるのは却って好都合だった面もありました。
あじさい寺は女性客多し。狙っているわけではないのですが、スナップ写真にいい感じで女性の後ろ姿が写りこんでくれて、写真的にはけっこう助けられました。
題材や時と場合によりますが、写りこみが男性だとなぜか写真として成立し難くなる不思議。わたしが男性だからそう感じるという単純な理由ばかりではないように思え・・・この話題はけっこう文化的心理的に奥が深そうです。今はちょっと置いておきましょうか。
さて、あじさいを主役にしない写真も。
北条時頼公の墓所のわきでは、愛らしい梅の実がたわわに実っていて、あじさいと共に良い風景を作っていました。
この青みがかったあじさいの色を「明月院ブルー」などと称する向きもあるようで、たしかに美しいのですが、それ以外にも味わい深い色の花がずいぶんありました。もう少し撮れ高があるので、次回記事でご覧いただくことにしましょう。
なお、明月院の写真は落ちついたノスタルジックな感じにしたかったので、いずれもRAW現像の際にPhotoLabでLUT”Filmlike_v2″を適用して仕上げています。