現在主戦機材として使っているLUMIX S5とG9PROIIは、いずれもGPSを搭載していません。
したがって、撮った写真のexifにジオタグ(位置情報)を書き込んで使いたいならば、携行しているスマホから必要な情報を取得するという付帯作業が必要になります。
これはLUMIXだけがそうなのではなくて、最近は各ブランドともデジタル一眼にGPS搭載というのはあまり見かけなくなってきたので、各ブランドユーザー共通のお作法ということになっているように思います。
PENTAX KPやK-3IIIで何回か試しましたが、何せ純正のスマホ用アプリが使いにくい代物で(という言い訳のもとに)、基本動作として身につくまで根気が続きませんでした。
LUMIXの純正アプリLUMIX Syncは既にスマホにインストールしてはいますが、これまで使う機会がありませんでした。どんな感じか気になるところです。
そろそろ試してみようかというタイミングだったので、先日の千葉・小湊鐡道の撮影行はちょうどおあつらえ向きのジオタグ取得撮影トライアルとなりました。
機器の設定そのものは難しいことは何もなく、あらかじめスマホ(LUMIX Sync)とカメラを起動してBluetoothのペアリングをしておけばOK。あとは現地で
・カメラ:Bluetooth ON + 位置情報の記録 ON
・スマホ:LUMIX Syncを起動
するだけで、自動的に接続して記録を始めてくれます。LUMIX Syncはアクティブにしておく必要はなく、見かけ上はスマホがスリープしていても強制終了させない限りバックグラウンドで動きつづけるので安心です。
撮ってきた写真データに書き込まれたジオタグを、GeoPhoto というWindowsアプリを使って読んで地図上にマッピングしたものです。ちゃんと記録されてました!
これではずいぶん表示位置が荒っぽいので、4ヶ所にかたまって見える撮影場所のうち上から2番目の飯給(いたぶ)駅近辺をさらに拡大してみます。
撮影位置の識別がぐっと細かくなりました。一番上の線路際の12ショットのうちの1点が例えばこんなやつです。
この列車が通過した後を振り向いて踏切付近まで追いかけて撮った99ショットのうちの1点がたとえばこれ
両者のわずか15メートルくらいの撮影位置の違いを識別できているので、けして高級品とはいえないわたしのAndroidスマホのGPSの精度も捨てたものではありませんね。
ところで、少し細かく見ているうちに、何割かジオタグを付け損ねている写真データがあるのに気が付きました。
連射でいっぺんにショット数を稼ぐと書き込み漏れが出るのか?いや、1ショットずつゆっくり撮ったのに漏れてるものもあるから違うな。なぜだ?
記憶をたどりながら考え、手元にカメラとスマホを置いて実際に操作して確かめてみた結果、このシステムには次のような弱点があることがわかりました。
移動中などに電池節約のためにカメラの電源をOFFにするといったん接続が切れる(これは仕方がない)。で、再度ONにすると自動的に接続復帰してくれるが少しタイムラグがある。復帰まで目分量で10秒くらい、カメラが位置情報を得られない空白の時間が生じます。
電池の減りを惜しむケチなわたしはわりと頻繁に電源をOFFする癖があって、その後撮りたくなったらONに戻して10秒待つどころかすぐにババっと撮っちゃうということがよくあります。これがどうやら位置情報なし写真量産の原因。
これを避けるには「シャッター切る可能性がある場所ではあらかじめ電源ON」「電源入れたらゆっくり10まで数えてからショット」が推奨行動ということになりますが、染み付いた習慣や手癖を直すのは簡単ではないかもしれません。うむ。
ということで試し撮りの結論。LUMIXのジオタグ付加機能は十分使い物になりますが、カメラの電源断後の復帰タイムラグには注意が必要でなかなか厄介、ということでした。