歌川広重の「名所江戸百景」の百四景は 千住の大はし、元の絵はこちらです。
広重画伯が多用する鳥瞰の視点の絵で、これを真似るのは毎回苦労します。というかほぼ真似できないので、今回も鳥ならぬ身の地べた視点の写真でごめんなさい。
隅田川にかかる千住大橋と、その手前は水道橋かな、たぶん。
元の絵で左手前に筏なのか船着き場なのか小さく見えていますが、今の千住大橋のたもとにも釣り船・屋形船が係留されていて、ちょっと似た感じなのがなんとも。
そういえば画伯の絵では橋の背景に山が見えていますから、わたしは橋の東西でカメラを構える立ち位置を間違っている可能性が高いです。しかし、どうせそんな遠くまで見通せないので今回はこれで良しということにしてしまいます。こっち側に立ったおかげで、少し退くとスカイツリーも画角に収められる。
また、このスケールの橋で真下から結構な光量で撮れるのは珍しいかもしれません。広角レンズで撮るとなかなかの迫力があります。
手前右は係留中の屋形船の船尾。橋を潜って通行中なのは何でしょう? 橋を潜りやすいように積載物の高さを抑えた資材運搬船かな。
ところで、千住大橋はこの絵のほかにも江戸時代のとある著名な文化人に所縁があります。
この写真でおわかりになるでしょうか。
この橋のたもとから、松尾芭蕉が1689年に「奥の細道」の旅を開始したとされているのです。家のある深川から船でここまでやってきて、千住からが陸路の出発。というわけですね。有名な
行く春や鳥啼き魚の目は泪
の句はここで詠まれたらしいです。千住大橋、なかなか趣深いですね。