百十景 南品川鮫洲海岸

歌川広重「名所江戸百景」の百十景は 南品川鮫洲海岸、元の絵はこちらです。

「冬の部」の絵は多くが雪景色で撮りにくいので、そうではないものを求めて、前回の芝浦、今回の鮫洲と湾岸を彷徨うことになりました。

さて、往時に海苔の養殖がさかんだった鮫洲海岸、現在はこうなっております。

東京湾岸は沖合まで埋め立てられてしまいましたが、かつての鮫洲の海岸線の一部は今もこうして運河として残っています。海苔の養殖場は無くなって、いまは釣り船などの船溜まりになっているようです。もう少し粘って日が傾くのを待てば、さらに元の絵に雰囲気が寄せられたかも。

あと、繰り返し指摘させていただいてますが、今回も広重先生に申し上げておかないといけないことがひとつ。

「ここから筑波山は見えません」
どんだけ好きなんだ、筑波山。

わたしとしては、江戸時代でも見えなかっただろう、ということに百ペリカ賭けてもよろしい・・・いや、元の絵のように鳥の眼で俯瞰したら、という奇想がありならワンチャン小さく見えたかもしれんな。やっぱ賭けるのはやめておきます。

こういう場所に来ると、漁船やら漁具やらのある風景が大好きな私としては、ちょっと撮っておかずにはいられません。

前回の記事でLUTで遊んだ楽しさに味をしめて、今回はLUMIX公式サイト提供の”Filmlike_V2″というLUTを使っています。フイルム写真っぽい、黒がちょっと鈍い感じとかよく出てると思います。

係留されて出番を待つ屋形船・釣り船の作為が無い「あるがまま」の風情も、釣り船屋さんのちょっと猥雑な佇まいも、実に好ましく感じました。

というわけで、鮫洲の巻でした。

今回の”百景”撮影地

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