カメラを手に行く先々の風景をいい加減に撮って自己満足する、というのがわたしのささやかな愉しみです。
しかし年々酷くなる7-8月の熱暑のもとでは、身体を守るために、はっきりと夏季休業期間というのを設けるべきかもしれません。
かもしれない、の段階は既に過ぎていて、2,3年前から実質的にはそうなっている気もします。
一方、暑さのストレスを避けてカメラから離れていると、撮れないストレスが溜まって来るのも事実。困ったものです。
そこでささやかな抵抗として、わざわざ撮り歩くのではなく、仕事のついでに出向いた先でパパっと撮ってくるというのを試みました。
移動の途中ですが、ブラブラ寄り道するというほどの余分な時間はかけません。LUMIX GF10を片手に歩いていて衝動的に撮った1枚。
何だかわからないでしょうが、とある夕方のオフィス街で湧水オブジェの水盆の上の落ち葉にあはれを感じてパパっと撮りました。色温度を少し調整したら実物よりも幾分涼し気に撮れたのが救い。
同じく、ビルの谷間のグリーンスペース、再開発に伴って供される公開空地というやつで1枚。
並木と日傘の女性の後ろ姿、足元照明の組み合わせを見て衝動的に撮りました。
何がわたしを惹きつけたのか伝わりにくいでしょうが、この時の瞬間妄想としては、周りがコンクリートブロックじゃなくて板塀と町家、フットライトじゃなくて灯篭、道行く人も和装とかだと、グッとくるところだよな、と思っているわけです。あくまで妄想ですが。
最後に、さらにわけがわからない1枚。
植栽の枝葉が落ちて舗道のフットライトの隙間に入り込んで、不思議なシルエットになっています。単にそれだけなんですが、なんか「もののあはれ」だなあ、と。
この日はこれらのよくわからない3点以外に、さらにわからない、要は失敗した写真をかなり拵えました。しかし全て含めても15分くらいで、夕暮れ迫るオフィス街で汗が吹き出し始める前に撤収完了。
撮った写真をこうして振り返ってみるとそこそこ自己満足はできて、「パパっと撮る」活動は撮れないストレスを和らげるのには有効な処方かもしれません。写真の出来は別にして。
それにしても、早く暑さの峠を越してくれないかな。