猛暑で外出を控えたり、せっかくのチャンスに雨で出足を邪魔されたりして、超広角単焦点レンズSIGMA 17mm F4 DG DNが試せたのは購入から数週間経って梅雨明け間近に迫った7月中旬でした。
LUMIX S5とiシリーズのSIGMA 17mmの組み合わせで、軽量機材とはいえ用事で出かけたついでにバッグに忍ばせるにはそれなりに邪魔になりましたから(笑)、意地でもこの努力を無駄にするまいと無理やり時間を30分作って試し撮りしてきました。
まず、何も考えずにベンチの手すりの上に落ちた葉にすっと寄って1枚。
いかにも超広角らしい構図のつもりで撮ってみました。F16まで絞ればパンフォーカスっぽくならないかと思ったのですが、さすがにピントが手前の葉に合うギリギリまで寄りましたからちょっと無理でした。
パンフォーカスが難しそうなら遠景はボカそうということで、自転車置き場で絞り開放F4で1枚。
これくらい寄れば、F4でもそこそこボカすことはできるし、ボケ方も綺麗だと思います。
もちろん、被写体とある程度距離を置いた上で絞れば、画面全体にわたって十分以上に締まった絵になります。↓の写真はF8。
SIGMAのレンズは切れ味重視でエッジが立つというイメージ(先入観)をもっていました。S5でiシリーズの3本(この17mmのほか、50mmと90mm)を使ってみた感じでは、確かに切れ味もいいけど、あまりキリキリし過ぎないバランスの良い写りをしてくれるのではないかと思います。改めて気に入りました。
さて、
超広角なので、できるだけ手前に被写体を置いてパースペクティブを強調した写真を撮ることが多くなりそうです。だから被写体に「寄れる」かどうかはとても大切。でもって、このレンズめちゃめちゃ寄れます。
たとえば歩いていて道端の街路樹の胴吹きの葉が綺麗だなと思えば、スーッと近づいて何も考えずにここまで寄って撮れます(仕様上の最短撮影距離は12cm)。
ここまで近いとピントはさすがにシビアで、かなりたくさん撮って取捨選択しなければなりませんでしたが(苦笑)。でも寄れるレンズは楽しいです。
ところでこのレンズの過焦点距離は、仮にF22まで絞れば許容錯乱円径0.03mmとして・・・17^2/(0.03*22)だから・・・約43cmです。43cm先にピント合わせればパンフォーカスにできるなら、「思い切り寄ってパースペクティブ」一辺倒でなくけっこう使える機会はあるかも(こういうの現場で使えるレベルでは全然頭に入ってなくて、いつも後で計算してわかる)。
小さくて軽いSIGMA 17mmは、私にとって標準単焦点や標準ズームメインで撮り歩くときにバッグの隅に入れておく「超広角のお守り」です。期待通りの堅実な写りで、さぞ頼り甲斐のあるお守りになることでしょう。
なお、今回の写真はいずれもRAWで撮ってPhotoLab7で現像してJPGファイルにしています。歪曲補正は一切していませんが、そのほかの「いつものルーティン」的な作業として露出を好みで微調整したほか、色とコントラストについてはAdobeの”S5 Landscape”のDCPをあてた上で「かすみの除去」を弱めに施していることはカミングアウトしておきます。