牧野記念庭園(2)

前回の記事につづいて、練馬区の牧野記念庭園です。牧野富太郎博士って誰?という方には、NHKのドラマ「らんまん」のモデルになった植物学者の先生だよ、と教えてあげてください。

雑草という名の草は無い

というのは、植物をこよなく愛した牧野博士の有名な言葉だそうです。

牧野記念庭園でところ狭しと植えられている草花にはすべてちゃんと名札が示されていて、ほんとその通り全てに名があります。

心の感度の鈍い無知なわたしが意識せずに眺めたら、大変申し訳ないが「ああ雑草が生えてるな」としか見えないこの草たちすべてについて、その名を明らかにせずにはいられない博士の学者としての情熱の凄さを、ほんのちょっと垣間見ることができます。

これは郷里の土佐の固有種のサクラで、保存に心を砕いたというセンダイヤザクラの木

この木も花咲く季節にはいちだんと趣深いことでしょう。

と言いつつ、所詮は俗物のわたしなので、地味な草より、どうしてもこの季節に咲いている花に吸い寄せられて撮ってしまいます。紫陽花が綺麗でした。

せっかくマクロレンズも持参したので、手持ちで厳しかったですが接写も1点。

この園内の目玉展示はこれだな、とわたしが感じたのがこちら。
牧野博士の書屋(離れ兼書斎)がそのまま保存されていました。実際に牧野博士が座って文献研究に明け暮れていた座机が、そのまま保存されています。

博士の所蔵されていた標本は東京都立大に、蔵書は高知県の専門機関にそれぞれ引き継がれたそうですから、ここに山と積まれた書物はおそらく「本物」ではなく、この展示用に揃えられたのではないかと思いますが、それにしても凄いリアリティです。

この書屋は再現でも移設でもなく、もともと本当にここにあって、全体を屋内に囲って保存されているのだそうです。ほえー。

わたしはこの書屋の迫力にあてられてボーっとしてしまい、大事な「展示室」を見学してくるのをうっかり忘れて帰ってきてしまいました。まったく何をやっているのだか。

まあいいや、もう一度訪ねる口実ができたというものです。
紅白の彼岸花が植えられていたからあれが咲く季節にでもまた来ることにしましょう。

というわけで、2回に渡ってお届けした牧野記念庭園散歩の巻、でした。

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